まだ18歳だったころの想い出です。
寒い受験シーズンが終わって、私も大学に入学したのです。

 それまで、半年間、冬の間は女装することもやめて、受験勉強に励んだのです。といっても、夜中に、下着女装でオナニーをして、すっきりさせることもありました。


 春、桜の花が満開になる頃、私は憧れの大学に入り、すぐにサークルに入りました。
いただいたお祝いで、女子大生が着るような服やバッグを買いました。
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 楽しいキャンパスライフ、時には女装して、図書館や学生会館の食堂にも行きました。
女子学生と思われて、声をかけられることもありました。

私は、体育会系でない、あるサークルに入りました。
 そんな、ある日のこと、サークルのミーティングの後「学園祭の実行委員になって欲しい」とサークルのリーダーから頼まれたのです。

 大学では、春と秋に学園祭が開かれるのです。実行委員会に参加して、メイン会場のコンサートや有名な芸能人のトークショーなど、次々に準備が進んでいきました。

 毎年、学園祭での人気イベント、ミス学園祭を選ぶコンテストともう一つ、女装のクイーンを選ぶイベントがあったのです。
ミス学園祭は、応募者が多数でしたが、女装のコンテストは応募者が少なかったのです。

 実行委員長からミーティングの後、残るように言われました。
「江崎くん、頼むから応募してくれないか」
「えっ,僕がですか?」
「実行委員には、女子が多いから、君が参加してくれると・・・」
 みんなの見ている前で、堂々と女装して見せることができる。恥ずかしいけど、女装できるチャンス、その時はそう思った。

「委員長、学園祭を盛り上げるために、僕が出ます」
「そうか、ありがとう。みんなも、君に協力するから」

 服もウイッグも化粧品も、女子の実行委員が貸してくれることになった。貸してくれなくても、僕は自分のがあるのに、でも借りておくことにした。
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 予選では、ロングのウイッグで、せーラー服、女子高生になって出場した。審査委員の投票、会場参加者の投票で、予想外の高得点で予選を通過した。

 二次審査では、身体のラインが見えるような衣装が指定された。ロングウイッグに金色のラメの衣姿で気軽にステージに上がったが、 ほかにはワンピースの水着、ビキニの参加者もいた。

 僕のバストのカップにはシリコンパッドが入っていた、歩くとバストが揺れていた。
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 二次も通過してしまった。最終審査は、5人で争うことになった。
 最終審査は、ダンス部の子から真っ赤なダンス衣装を借りることにした。

 今度は、ダメだろうなと思いながら結果発表を待った。3位のあと、僕の番号が呼ばれた。なんと準ミス女装クイーンに選ばれた。審査委員から、「彼女にしたいほど、かわいい」と言われた。

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 優勝は出来なかったけど、記念の盾と賞状が手渡された。学園祭が終わるまでの3日間、僕はキャンパス内の各会場をずっと女装して回ることが出来た。

 学園祭が終わり、秋も10月になる頃、委員長に呼ばれた。
「明日、時間が作れないかな」
「後期の授業も始まってないし、時間ならあります」

「言いにくいことなんだけど、もう一度女子高生になってくれないか」
「また、コンテストですか?」
「そうじゃない、可愛い君のセーラー服姿をみたいんだ」

 次の日、私は誰も居ないサークルルームで、家にあった姉のセーラー服を着て女子高生になったのです。すぐ近くの学生用の駐車場に、彼の乗った車が止まっていました。
「おまたせ、少し遅かったかも」
「大丈夫、君が来てくれただけで、僕は嬉しいよ」

 そのあと、海の見える海岸までドライブして、人の居ない海水浴場に車を止めました。
彼が夏の間アルバイトをしていたレストハウスに入りました。
「ここなら、誰にも邪魔されないから」
並んで座り、窓から見える海を見ていました。
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 しばらく海を見た後、彼と見つめ合っていると、抱き寄せられたのです。
私の寄せてあげるピンクのブラに触れる彼、スカートの裾から、彼の手が入ってくる。

「いけないわ、そんなこと」
「可愛いよ、君が好きだ」
「だめよ、私は」
「女の子だろ、可愛いよ」
「先輩、私は女じゃないのよ」

女装して、初めて男の人に抱かれた。その後は、よく覚えていません。

 しばらくしてから、レストハウスから海岸に降りたのです。
吹き渡る風が、火照った身体には心地よかったのです。

 二人で海岸のベンチに座り、海を見つめていました。

 彼が初めての人でした。
私は彼の、彼女になって大学生活を過ごしたのです。




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