【目次】愛人、夜は女装して 
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【第1章】
《出張の夜》《春の人事異動》《社長命令の女装研修》
 
【第2章】
《予期せぬカミングアウト》《舞妓姿に変身》《彼の腕の中で》
 

【予期せぬカミングアウト】

 研修最終日の夜は、親睦を深めるための宴会がありましたが、気分がよくないので部屋で休みたいと進藤課長に頼みました。私の女装姿を見て笑っていた研修参加者と顔をあわせたくなかったのです。

 それともう一つの理由がありました。
女装の館として有名なお店が近くにあるので、以前からほしかった人工乳房など女装用品を買いたかったのです。

 秘密の買い物を実行に移すかどうか少し迷っていたのですが、研修でみんなの前で女装して、セクハラ行為を受けているうちに自信がついてきたのです。

 私は大胆にも、大阪の街を女装して歩くつもりでした。女装用品の揃った駅近くのお店で女装を仕上げて、外出するために階段をおりると、乳房がゆれる感触に感激しました。
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 ロングのブーツを履き、しばらく人の少ない場所で歩く練習をしました。ブーツにも慣れて、大阪環状線に乗ってみました。

 アベノハルカスまでの移動中の電車の中では誰も私が女装していることに気づかず、女装して、日本一高いビル「アベノハルカス」から見る、連休前の大阪の街は夜景がきれいでした。

 帰りに乗ったタクシーの運転手も、特に話しかけてくることもなく無関心でした。15分ほどで、宿泊先のホテルに戻りました。

 ふと見ると近くのラウンジに進藤課長が一人でいて、疲れたような顔で座っているのが見えました。
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 私は気づかれないようにラウンジの横を通り、会社の人たちが泊まっている階より一つ下の階で降りて、階段をゆっくり上りました。

 進藤課長の部屋の前を過ぎて、自分の部屋の鍵を開けた時に、ぎゅっと手をつかまれて口をふさがれてしまいました。部屋の中に連れ込まれて明かりのスイッチがつけられました。

 それは進藤課長でした。誰にも言えない自分だけの秘密を知られてしまったという不安で、身体が金縛りにあったようになってしまいました。

「まさかとは思ったけれど、やっぱり君だったんだ。」
「いつ、私に気づいたのですか?」
「近くを君に似た女性が通りかかり、エレベーターに乗るところを見た。」

 課長は、夜遅く一人で女性がエレベーターに乗るのを見ていた。
その女性が、ボタンを親指で押す癖が部下の花岡と同じなので、なぜか気になって、隣のエレベーターに乗った。
エレベーターから降りると、すぐ前をその女性が歩いていた。

そして、その女性は花岡の部屋の前で、鍵を取り出していた。
進藤課長は、そっと後ろから近づいた。

おだやかな声で、進藤課長が話した。
「人には言えないような悩みや苦しみがあるんだね。僕は余剰人員の削減や、合理化の仕事をしていて気の休まることはなかった。」

「そんな僕を支えてくれた君が、研修で女装をさせられて会社をやめようと思ったんじゃないかと不安になってね。」

「あの講義のあと君の部屋を何回訪ねても返事がなくて、心配していたんだ。今、君と再会できてよかった」
とやさしい言葉をかけられて、私は涙があふれてきたのです。

「4月から何かが違うと思っていた、君が来てくれてから、穏やかな雰囲気というか、職場の人間関係までいろんな事がよくなってきたんだ。退職勧奨を受けた不平分子の元社員までが、君と話すと和やかになる。君は本当に心のやさしい人だ。これからも僕のそばに居てくれないか」と進藤係長は私の手を握りしめたのです。

 女装をしている私のことを変態扱いするのでなく、こんなに優しく言ってもらえるとは思ってもいませんでした。思わず涙があふれて彼の胸に、抱きついてしまいました。彼との距離を、胸の乳房がじゃまをしていました。

「もし私のわがままを聞いてもらえるなら・・・」
新藤課長に、女装した私を抱いてもらおうとしたのです。

「女装している時の私は、いつも課長に恋しているんです」
「課長、このまま私を女として抱いてください」

「ゆり子の一生のお願いです!」

 しばらく新藤課長は、黙っていたが、話し始めた。
「ほんとうに、僕でよければ、今すぐにでも君を抱きたい。」

「課長、たとえ一夜の遊びでもいいんです」
「僕は一夜の遊びにしたくない。ゆり子さんとして、僕は君を幸せにできるか・・・」

「今夜は、君も疲れているから休みなさい、その代わりに僕にも考えがあるから、明日の朝にでも僕の話を聞いてくれないか。」

やさしくささやくように言った後、私は進藤課長に抱かれ、顔を合わせキスをした。
「今夜のゆり子は、とても素敵だったよ」

長いキスの後、「明日も研修だから、もうお休み」
そう言い終わると、ドアから外に彼は立ち去った。

彼が部屋を出てから、ゆり子は放心状態だった。


 女装をカミングアウトして、進藤課長に思いを伝えたこと、
進藤課長とのキスはまるで夢の出来事のようだった。


 浴槽の中で、ボディーソープを泡立てながら夢想していた。

 進藤のなすがままに、身をまかせているゆり子、お湯につかりながら、下半身で火照った部分をもてあまし、下半身のある部分で、激しく右手を動かし続けた。
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「アアー、進藤さん、ダメッ、逝っちゃう」
一人で夢想しながら、白濁をほとばしらせた。


あの時、進藤さんに抱いてもらえばよかった、
大切なチャンスを失ってしまったのではないか。

「もう少し、勇気を出して抱いてもらえばよかったのに・・・」

自分で自分に語り掛けながら、過ぎ去った時間を悔やんでいた。

 入浴の後、お気に入りのネグリジェに着替えると、ジンジャーエールをグラスに注いだ。

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 純白のネグリジェ姿でベッドに入ったものの寝付かれず、若い身体が求めるのか、女になって抱かれる妄想で、またオナニーをしてしまった。いつしか眠ってしまい、朝を迎えた。

 翌日の朝、朝食のモーニングを進藤課長と並んで食べていました。
「研修の後で、君と行きたいところがあるんだ」
「どこなんですか?」
「僕の知ったお店が京都にあるんだ」
 と進藤課長に誘われて、京都に行くことになったのです。

  【舞妓姿に変身】

 研修が金曜日の午前中で終わりました。
福利厚生と言うことで、社員はUSJの入場券が格安で購入できるということもあって、ほとんどの社員はユニバーサルスタジオに行ってしまい、私たちは二人だけで京都に行き、清水寺にお参りをしました。

 4月最後の日、晴れ上がった京都、清水寺から下る坂道を歩きながら、彼からひとつ頼みがあると言われました。
その内容をを聞いて、私は最初はどうしようか迷ったのですが
「どんなふうになっても、笑わないでね」と彼に約束させました。

 四条、花見小路から鴨川の近くにある、風格のあるお店に入りました。そこで、女将さんらしき人が親しげに応対されたのです。

「進藤はん、お待ちしておりました」と笑顔で迎えられました。
「さあ、お連れさんはこちらへ、お支度しましょか」

 私は、おじいさんのような人に、店の奥に案内されました。
そこで言われたのは、「早速ですが、最初に風呂にお入りください」
「さっと、汗を流したら、むだ毛を処理させていただきます。」

 もともと体毛の薄いほうでしたが、おじいさんは、脱毛剤を使い、手慣れた手つきで、さっとそり上げるのです。手早くすませて浴室を出ると、身体にすき油を塗られました。

 その上に白粉がべっとり塗られてから、またお風呂でお湯を浴びて余分な白粉をさっと流すと、透き通るような白い肌になりました。

 着付けの前に、白い絹布で男のものを覆い後ろへと股の間に挟み込み、薄いガードルをはくと、なめらかな小高い丘ができあがりました。
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 つぎに赤い襟の肌襦袢を着せられ、燃えるような真っ赤な腰巻を巻かれ、その上にピンクのさくらの絵があしらわれた長襦袢を着せられました。
 今度は鏡台の前で、顔や首にビンつけ油をぬられ、頭には羽二重のかつら下地をぎゅっと締めつけられ、かつらを被らされた。
目の上や頬に赤い紅がつけられ、さらに粉白粉をはたき、アイラインを入れ、目立たない程度の、つけまつげを付けるのです。

 唇に口紅が小さく塗られてから、細く眉がひかれ、仕上がると、最後に舞妓の衣装を着付けられて、もう私は、どこからみても舞妓、いえ女になったのでした。

「旦那様がお待ちですよ」
「旦那様って?」
「お待ちかねですよ、美しくなったあなたをご覧になるとさぞお喜びでしょう」
そう言われて、お店の人に連れられて案内された部屋に入りました。
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 すぐに、進藤課長が部屋に入ってきました。
  彼は、驚きの表情で私をみつめています。

「思っていた以上に、きれいな舞妓さんになったね」
笑顔で、喜んでくれました。

 その場にいた、年配の女性は、その店のおかみさんでした。

「それでは、お二人で、くつろいでおくれやす」
「おかみさん、彼女を連れて、外に出てもいいですか?」

「彼女やったら大丈夫、京都の町を散策されてもよろしおすなぁ」
「僕ら二人で、近くにある八坂さんにでも行ってみます」
「八坂神社は、二人で仲良う行ってきなはれ」

「今日は涼しいので、舞妓さんも過ごしやすうて、よろしおす」
 おかみさんにじっと見つめられて、恥ずかしいというか、鋭い視線に厳しさのようなものを感じました。

「それでは、進藤はん、お帰りになる頃、準備しときます」
「よろしくお願いします、じゃあ今から行ってきます」

 私は、なれない履き物に気を取られながら、のれんをくぐり、お店の外に出ました。

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 二人で、八坂神社にお参りをしました。
八坂神社、ここは恋のお願いをすると叶うのだそうです。

 その時、なぜか、この人となら結ばれてもよいと願をかけるていると、いつも空想していたあの男性の顔が、いま目の前にいる彼と重なって見えたのです。

 お参りをすませたあとで、また細い通りや横道をぬけて、彼がさっきの料亭に案内してくれました。さすがに京都の人だと感心していました。

「お腹もすいたので、京料理でも食べよう」
「ええ、京料理って、まだ、いただいたことがないのです」
「それじゃあ、舞妓さんのままで、もう少し辛抱してね」
彼から言われ料理がくると、お酒をすすめられました。

 お料理も頂いたのですが、空腹ですぐにお酒を飲んだため酔いがまわってしまいました。
 彼が私を介抱するように抱きかかえ、ふすまを開けると隣の部屋には真っ赤な布団が敷かれていました。

【彼の腕の中で】

 彼が私をどうするのかと思っていたら、彼は私を布団のうえに寝かせてくれました。

 しばらくして気分が落ち着いたので、そばで見守っていてくれた彼に手を伸ばし起き上がろうとすると、やさしく抱き寄せられました。彼の両腕の中で支えられ口づけをされ、私は身体が熱くなってしまいました。


 彼も私も明るい照明の下で、光に照らされ、私はなまめかしい女装姿が壁の下部にある鏡に写っていました。

 真っ白に塗られた白い顔、赤く小さく描かれた唇、つぶらな瞳に長いまつげが施され、まるで人形のように美しい姿。私自身もうっとりしていました。

 部屋の明かりを少し暗くしてから、彼が私の長襦袢をはだけて私の胸にキスをするのです。
「君の乳房が、こんなに大きいなんて」
「恥ずかしいわ、言わないで」
「手術でもしたのかい?」

「高校生頃から、少しずつ膨らんできたの」
「そんな、ことがあるのかな」
「病院でも診てもらったけど、体質らしいのです」
「こんなに大きいと、目立ってしまうだろ」
「だから、温泉には入りにくくて、修学旅行も行かなかったんです」
「素敵だよ、女性のおっぱいのようだね」

 彼に、乳首を口に含まれて、舌でころがされると私は徐々に波が押し寄せるように、快感のとりこになってしまったのです。

 燃えるような真っ赤な腰巻の下で、彼の手が私の小ぶりなものに触れたときには、恥ずかしいことに堅くなっていました。
「おっぱいがあって、ここも硬くなるものがあるんだね」
「言わないで、恥ずかしいです」
「恥ずかしがることなんかないよ」

 彼は、私の薄いガードルを脱がせてから、その下の絹布を取り去ったのです。
こんどは、身体の向きをかえた彼が、私のものに口づけしたのです。
「ああっ、だめです、恥ずかしいから」
「恥ずかしがることなんか、ないさ、素敵じゃないか」
「だめです、これ以上は」

 今度は、私が彼の硬くなっているものに、そっと手を触れました。
それから、やさしく舌をからめていると、彼も感じてくれている。
「ああーっ」と声を出している彼。

 さらに唇をすぼめて、浅く深くを続けていると、彼の身体が一瞬こわばったあと、愛液が口の中いっぱいに噴き出してきました。

 彼の白い愛液をひと息に飲み込みましたが、少しはしずくになって滴りました。それでも彼の男性自身を口に含んだまま舌をからめ、彼がのけぞるまで続けました。

 彼は あと、すぐに再び硬直したのです。
彼の下腹部に、ゆり子の手を導かれて、大きく硬くなった彼の男性自身に触れました。

 彼のあの部分は十分に回復していて、肉柱のようにそそり立っていました。二人の愛の営みに入る前に、日本髪のかつらを頭から丁寧に外して、床の間に置きました。、用意されていた潤滑用のクリームを手に取り、彼の部分にぬり、次には私のあの部分に彼がクリームを塗ってくれたのです。

「息を止めて、あまり力を入れずにじっとしているんだよ」
 彼が言うのと同時に、真っ赤な腰巻をめくりあげ、真っ白に輝く私の肌があらわになり、彼の両手は私の腰にあてがわれました。

 彼のたくましいものが、はじめはゆっくり、そしてすべてが侵入すると、私はもう痛いとかの感覚より、女になれた悦びを感じていた。
「あー、あなた感じるわ、もっと、奥までついてちょうだい」
私は女言葉になっていました。

彼は腰を動かしながら、
「僕と一緒に居てほしい、君がよければ僕と暮さないか」と言ってくれたのです。
「ええ、本当なの、ゆり子でいいの。あなたのそばにいてもいいの」と女言葉になって答えると、
「愛しているよ。君が欲しい、これからもずっとゆり子がほしい」と彼が耳元にささやいてくれたのです。

 その言葉に、胸が熱くなり、愛される悦びを感じていました。
そして、私の身体で感じてくれていると思うと、彼がさらにいとおしくなりました。もう私は一人の女になりきって、彼にこの肉体をささげる喜びを感じていました。

「あなたの好きなようにして、お願いもっと、ぐいぐいして」
「いたくないのかい?」
「大丈夫よ、今のがすごく、イイッ、あーたまらない」
「すごい締め付けだ」
「いいわ、いいの、そのまま続けて」

「ああーっ、もうだめだ、ゆり子、愛しているよ、ああーっ、いい」
 と言い終わると同時に彼は起き上がり、上半身をむき出しにしている私の胸に熱いものが注がれたのでした。

  彼からほとばしり出た精液が、私の胸の上で白濁となってねっとりとしています。
「こんなにたくさん、出たのね、次は私の中でイッテね」
「次は君が気持ちよくなって、逝く番だよ」

 彼の手が、激しく私のものを撫で回したので、たまらずに噴き上げてしまいました。荒い息が収まった頃、彼の手を握りしめたのです。
「ほんとうに、私でもいいの」と話しかけると、
「僕には、ゆり子しかいない」と彼が私を抱き寄せてくれたのです。

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 しばらくして、私の腹部に飛び散った精液と彼の精液を、私がティシュで拭こうとすると、彼がグラスをとってきました。

 そして、二人の愛のしずくをすべてグラスにすくい上げたのです。


 グラスには、日本酒を入れて、彼と交互に飲み、まるで三々九度の杯のようでした。性愛の契りを交わした私は、彼の前では女になるのです。

 5月を迎えたその夜から私は”愛人”となって、情熱のおもむくままに、激しく愛しあうようになったのです。






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