【目次】姉のウェディングドレスで、花嫁に
第1章
《 地震の朝はスキャンティ》《女装での墓参り》《一度だけの願い》
第2章
《 身代わりの花嫁》《初夜を迎える》《女の悦びに満たされて》
《身代わりの花嫁》
彼からの連絡で、ホテルで新郎新婦の衣装を着けて”前撮り”することになった。結婚式当日は、混み合うので、事前に撮影をするのが最近の傾向だとのこと。ホテルのチャペルは、森に面していて、雨が降ると濡れてしまう。
その日は、雨が降らなければいいのにと願っていたが、少しうす曇りの空だった。朝早くからの電話、彼からの電話だった。
「今日の午後、迎えに行くから、それと今夜は泊まるつもりで」
「仕事は大丈夫なの?」
「少し会って、じっくり話がしたいから」
さっそく、一泊できるように準備をした。 なぜか、パジャマだけでなく、ベビードールやセクシーな下着をバッグに詰めた。
ホテルの駐車場に車を止めて、彼がウェディングドレスを運び出した。ホテルの駐車場から空を見上げると、虹が輝いていた。すでに雨はやんでいた。
「花嫁さんはメイク室へ」と案内された。
「式まで、お時間がありますから、お手洗いは済ませておいてください」
そのあとは、今、身につけているものを脱いでブライダルインナーに着替えるように言われた。化粧、ヘアデザインのあと、ウェディングドレスの着付けが終わった。
新郎から花束が渡された。
「今は、これでいいかい、ブーケは式の時に渡すから」
そのあとは、新郎新婦がそろい、チャペルや撮影室での写真撮影となった。撮影がスムーズに終わったあと、彼は実際の挙式の打ち合わせを続けていた。
ウェディングドレスのまま、彼を待っていた。チャイムがなって、ドアを開けて彼が入ってきた。
「ごめん待たせたね、今日はなんだか、とても暑くて」
「シャワーを浴びてくるよ」
そう言いながら、タキシードを脱いでいる彼から、上着を受け取りハンガーにつるした。ズボンとネクタイをクローゼットに片付け、バスローブを彼に着せる。
「帰りも、運転するのでしょ」
そう言ってと、冷たいお水をグラスに注ぎ、彼に手渡す。
グイッと飲み干した彼、少し緊張して疲れていたはずの彼も、少し元気を取り戻した。彼は10分ほどで、バスルームから出てきた。
「私も、シャワーしても、いいかしら」
純白のウェディングドレスを脱ぎ、花嫁の私はブライダルインナーだけになる。白いガーターで吊られたストッキング、純白のショーツ姿の私。
「もう、撮影もしたし、花嫁の身代わりも、もうすぐ終わり・・・」
「まだまだ、終わりじゃない」
「最初の約束は、写真撮影だったでしょ」
「僕は、君の姉さんに恋した。でも、今は君が好きなんだ」
まだ外から差し込む明るい日差しの中、彼と二人きり。お風呂上りの湯気が出るような、バスローブだけの彼。
「写真撮影だけなんて、そんなつもりはないよ」
「それじゃあ、話が違うわ、もう帰して」
「僕と、本当に結婚しよう」
「そんな、私は姉と違って、女じゃないのよ」
そう言って、部屋を出ようとしました。
「そんな、下着姿でどこに行くんだい」

その時、二人の男女が入ってきました。背の高いカメラマンと着付けやメイクを手伝ってくれた女性。二人はドアをロックして、私を押しとどめたのです。
「やはり、花嫁さんが納得していないようだね」
「ちょうどいいところに、来てくれたね」
メイクの女性に抱きかかえられ、カメラマンの強い力で両手を縛られてしまったのです。
「ひとみ、君も女性になりたくて、髪を伸ばしたんだろう」
「それに、胸を大きくしたくて、女性ホルモンも続けているね」
「君に紹介した婦人科医は、僕の知り合いなんだ。」
「それで、彼に聞いたの」
「君には、女性のような身体になりたいという希望があると聞いたよ」
「今夜から、僕の夜の女、嫁さんになればいい」
「結婚式をしたら、市役所に届け出てもいいんだよ、同性のカップルとして」
私は、ブライダルインナーのまま、ベッドに寝かされた。脚も縛られて、自由には動けない状態だった。
「カメラマン、二人の初夜をきれいに撮ってくれ」
「花嫁をもう一度、美しく化粧してあげてほしい」
これまでにも、女装して抱かれた経験もある、秘密にしてきたが、本当は男性とは初めてでもない。
これから、自分が美しい花嫁になって、初夜を迎える、それが現実になろうとしている。
抵抗すれば、手足の自由を奪われたままの姿で、犯されるだけ。花嫁がみじめな姿を撮影され、写真が残るだけ、あまりにも悲しい。せっかくこの日のために、準備してきたのだからと、決心した。
「待って、このままじゃイヤ、縄を解いて、オネガイ」
少し恥ずかしそうにしながら、彼に声をかけた。
「わたしのこと、姉と同じように愛してくれる?」
「もちろんだよ」
縄が解かれた、ベッドで抱かれる事に従った。肌の上を動く彼の唇。首筋からブラジャーのストラップに沿って下りていく。これから始まることへの期待、わたしは、軽くあえぎ声を漏らしていました。
「うぅ~ん、だめ‥‥」
「アッ、いや」とか口走って、しまうのでした。
でも、彼はやさしく「肌もきれいだね」と言って暮れるのです。
Cカップぐらいにふくらんだ乳房に顔を寄せた彼が、鼻先でその弾力をこねるようにした。さらに乳首を口に含み、乳房全体を手のひらで包み、握るようにしてきた。女性ホルモンで、大きくして良かった、でも、もっと大きくしたい、彼のために。

「ア、アーン」、
自分でも驚くほど大きな声を上げてのけぞっていました。
キスしてきた彼に応えていると、その手が今度は下に向かいます。
純白のショーツの上から、わたしのものに触れてきました。
黒い下着に興奮すると言ってた彼、純白の下着も気に入った様子。
「こんなセクシーな下着を、結婚式にしか着ないなんて」
「だって、結婚式に着るためのものだから」
「花嫁の純白の下着姿って、最高に興奮させられるね」
そう言って、太腿をなでてきた彼の大きな手に、わたしはまた、甘え声を漏らしてました。でも、その手がパンティに掛かったところで、あたしは両手でそれを止めました。
「もう、撮影は、ここまでにして」
「恥ずかしいのかい」
「夫婦の秘密を、他人に見られたくないの」

彼の合図で、カメラマン達二人は部屋から出て行った。
「ねぇ、こんな私でもいいの?」
「何を気にしているんだ、今は性転換の手術もできるんだよ」
「手術しなくても、いいと思うの」
「きみのバックのほうを使うんだね」
「バックでなくても、できるのよ」
婦人科の検診で、ペニクリの下に窪みがあり、子宮があることが分かった。しかし、卵巣はないので、妊娠することは出来ないと言われていた。
私のペニクリを彼が触れると、勃起し始めた。でもそれは彼のものと比べると、小さく親指ほどの大きさだった。彼の指先でわたしのものを刺激され、いつもの快感の波が押し寄せてきた。
「ああっ、いってしまう」
その時、すでに私は絶頂に達していた。前技として十分に感じてしまい、あの部分は潤い始めていた。
自分でも、こっそり指で潤いを確かめてみた。十分すぎるほど、濡れていた。今度は、彼のものが大きくなるように、口に含み、舌を絡めた。
ますます大きくなった彼のジュニアは、亀頭も大きく透明な液が、あふれるように滲み出ていた。新妻として初めての交わり、この人との初夜を迎える喜びを感じていた。
「ああ、すてきだったわ、今度は私を抱いて」
「もういいのかい?」
「初めてだから、優しくしてね」
「後ろでなくていいのかい?」
「わたしは姉と同じからだなのよ、花嫁との初夜は、ごく普通にして」
彼の身体が覆いかぶさるように、わたしの下半身に突き進んできた。
「ねぇ、正上位でして」 わたしは、初めて使うあの部分に彼を誘導していた。

少し入りにくいけれど、ゆっくりと侵入してきた彼。
「アアッ、痛い」
「初めてだったのかい?」
「そうよ、まだ誰にも許したことがないのよ」
「痛むなら、やめようか」
「でも、いいの、つづけて、オネガイ」
そのあとは、彼が腰を押し付けてきて、ぐいっと突かれた。彼の腰が押しつけられ、私の中に彼のものの存在感を感じる。 それから後は、彼に気を使わせないように、痛いなどと言わないようにした。
彼が入った後、しばらくキスを続けた。精神的に満たされるものがあり、最初の痛みが和らぎ、快感すら感じるようになった。彼の腰の動きに合わせて、わたしも腰を使った。 そのほうが快感が高まり、夫婦の共同作業で強く結ばれているとさえ思えた。
《女の悦びに充たされて》
彼のものがまたゆっくりと前進し、わたしの中へと入ってきます。その途中、一瞬、腰の中心というか、わたしの女性本来の性器の奥の方が、じんとしびれ、全身が震えました。 彼の亀頭が、わたしの膣内のGスポットに触れたのです。
「‥‥アアッ」 彼に何というか、「すごくいい」なんていうのが恥ずかしかった。彼の体にしがみつくようにして、彼を両手で抱えるようにしていると、さっきより速く、強く、突いてきました。
「アァー、いい、アッ」
さらに彼の突きが速さと強さを増し、そのたびにのしかかってくる体重. 正上位で、両方の脚をあげ、不自然に折り曲げられた腰。
わたしはその突きに呼吸を合わせ、あえぐ声が大きくなっていました。
彼の腰が往ったり来たりする、そのピストン運動に合わせて、往きも、帰りも喜悦の声となって、それが彼を興奮させる。
興奮した彼が、さらに激しく腰を使い、メスとなったわたしの全身の神経を駆けめぐり、しびれさせるその感覚に、理性や思考も停止し、私はただ官能の喜びを求めていました。
わたしの中を往ったり来たりしている彼のペニス、興奮し勃起すればするほど、反り返るその熱いもの。 反り返ったその先端が、わたしのGスポットを微妙に圧迫、刺激しながら往復しているにちがいありません。
これまでも、女装して、何度か後ろから男に抱かれたこともあった。痛みに耐えるだけのその行為を、セックスと思っていた。でも、今夜、人生で一度も味わったことのない女性の部分で、彼を迎えた。
その強烈で連続した刺激に、わたしはシーツを握りしめ、その後は彼の肩を抱き、女としての官能の悦びに支配されていました。
「素敵だ、君の姉さんとおなじ、それ以上だよ」
「姉さんと同じように、愛してくれる?」
「姉さんも好きだったけど、君はそれ以上だよ」
彼のペニスの形や角度と、わたしや姉のあの部分の位置や感度は、奇跡的にぴったりなのにちがいない。 初めて抱かれて、こんなにも感じるなんて、身体の相性ということを感じました。だから、これが運命の出会いかもしれない。そんなふうに思いました。
そして‥‥、男同士では得られなかった、男女のセックスの悦びを今感じている、そんなふうにも思いました。 その悦びをもっと完璧なものにしたくて、私は、あえぎながら、声をあげていました。
「‥‥アッ、アッ、いい、いいの」
その言葉に、彼は、さらにあたしにのしかかり、腰の動きが早くなりました。気をつけながら、彼の腰が激しくぶつかっている部分に手を差し入れました。
彼の陰毛を感じながら、指先をその位置まで持って行くと、太くなった彼のものが、あたしのそこを出たり入ったりしているのがわかりました。荒い息をしながら、彼に向かって思ったままを声にしました。
「アッ、アッ、私のこと好き?」
「あ、ああ‥‥好きだよ、もう離さない」
彼の睾丸が、あたしのあの部分を、ひたひた打つのも感じ、あたしは大きくあえいでいました。
「アア、いい、アアッ」
「もう‥‥イキ、そうだ」
「ああ、来て、来て」
「いってもいいかい? アアッ、イク、イク」
「オネガイ、わたしの中に‥‥いっぱい、出して」
その瞬間、彼の体が、瞬間止まるような、わたしの体の中で、何かが跳ねるような、というか、はじけるような感覚が伝わりました。彼はそこで、これまでとはちがう、押しつけるようなピストン運動を数回しました。
わたしの身体の上に彼の身体の重さを感じ、子宮の中に温かいものが満ちていくのを感じました。
いつものオナニーとは違い、たぶんオルガスムに達していたのか、その後しばらくは悦びに支配されていました。

姉の身体には、子宮も卵巣もあった。妊娠して彼の子どもを産むことも出来た。
しかし、私には卵巣はない、それでも、子宮と精巣があり、膣で感じるのと同時に射精する喜びが与えられた。
たとえ妊娠できなくても、男としての絶頂を迎えると共に、女としての悦びを感じ続けることができる身体、それだけでも幸せなのかもしれない。
結婚式は、無事に終わりました。
結婚式では、彼から新しいウェディングドレスがプレゼントされたのです。
姉のウェディングドレスで”身代わりの花嫁”ではなく、私は自分のために作られたウェディングドレスで結婚式を挙げました。彼は、私を妻 "ヒトミ" として迎えてくれたのです。
新婚初夜の二人は、新婚の夫婦どころか、夜が更ける頃には雄と雌になって求め合った。彼を膣で受け入れながら、アクメに上り詰めたときには、絶頂に達して射精していた。
今では、すっかり彼の妻として暮している。もう、母と姉が震災で亡くなってから27年、今年も5月17日、父の命日を迎えた。お姉さん、あなたの分まで幸せに暮しています。

今日も、西宮の自宅から、家族が眠る墓地にお参りにきました。
「お参りにきましたよ」
そうお墓に向かって話しかけながら、姉が愛した人の妻として、墓前にお花を捧げるのです。
ホームページにもどる
第1章
《 地震の朝はスキャンティ》《女装での墓参り》《一度だけの願い》
第2章
《 身代わりの花嫁》《初夜を迎える》《女の悦びに満たされて》
《身代わりの花嫁》
彼からの連絡で、ホテルで新郎新婦の衣装を着けて”前撮り”することになった。結婚式当日は、混み合うので、事前に撮影をするのが最近の傾向だとのこと。ホテルのチャペルは、森に面していて、雨が降ると濡れてしまう。
その日は、雨が降らなければいいのにと願っていたが、少しうす曇りの空だった。朝早くからの電話、彼からの電話だった。
「今日の午後、迎えに行くから、それと今夜は泊まるつもりで」
「仕事は大丈夫なの?」
「少し会って、じっくり話がしたいから」
さっそく、一泊できるように準備をした。 なぜか、パジャマだけでなく、ベビードールやセクシーな下着をバッグに詰めた。
ホテルの駐車場に車を止めて、彼がウェディングドレスを運び出した。ホテルの駐車場から空を見上げると、虹が輝いていた。すでに雨はやんでいた。
「花嫁さんはメイク室へ」と案内された。
「式まで、お時間がありますから、お手洗いは済ませておいてください」
そのあとは、今、身につけているものを脱いでブライダルインナーに着替えるように言われた。化粧、ヘアデザインのあと、ウェディングドレスの着付けが終わった。
新郎から花束が渡された。
「今は、これでいいかい、ブーケは式の時に渡すから」
そのあとは、新郎新婦がそろい、チャペルや撮影室での写真撮影となった。撮影がスムーズに終わったあと、彼は実際の挙式の打ち合わせを続けていた。
ウェディングドレスのまま、彼を待っていた。チャイムがなって、ドアを開けて彼が入ってきた。
「ごめん待たせたね、今日はなんだか、とても暑くて」
「シャワーを浴びてくるよ」
そう言いながら、タキシードを脱いでいる彼から、上着を受け取りハンガーにつるした。ズボンとネクタイをクローゼットに片付け、バスローブを彼に着せる。
「帰りも、運転するのでしょ」
そう言ってと、冷たいお水をグラスに注ぎ、彼に手渡す。
グイッと飲み干した彼、少し緊張して疲れていたはずの彼も、少し元気を取り戻した。彼は10分ほどで、バスルームから出てきた。
「私も、シャワーしても、いいかしら」
純白のウェディングドレスを脱ぎ、花嫁の私はブライダルインナーだけになる。白いガーターで吊られたストッキング、純白のショーツ姿の私。
「もう、撮影もしたし、花嫁の身代わりも、もうすぐ終わり・・・」
「まだまだ、終わりじゃない」
「最初の約束は、写真撮影だったでしょ」
「僕は、君の姉さんに恋した。でも、今は君が好きなんだ」
まだ外から差し込む明るい日差しの中、彼と二人きり。お風呂上りの湯気が出るような、バスローブだけの彼。
「写真撮影だけなんて、そんなつもりはないよ」
「それじゃあ、話が違うわ、もう帰して」
「僕と、本当に結婚しよう」
「そんな、私は姉と違って、女じゃないのよ」
そう言って、部屋を出ようとしました。
「そんな、下着姿でどこに行くんだい」

その時、二人の男女が入ってきました。背の高いカメラマンと着付けやメイクを手伝ってくれた女性。二人はドアをロックして、私を押しとどめたのです。
「やはり、花嫁さんが納得していないようだね」
「ちょうどいいところに、来てくれたね」
メイクの女性に抱きかかえられ、カメラマンの強い力で両手を縛られてしまったのです。
「ひとみ、君も女性になりたくて、髪を伸ばしたんだろう」
「それに、胸を大きくしたくて、女性ホルモンも続けているね」
「君に紹介した婦人科医は、僕の知り合いなんだ。」
「それで、彼に聞いたの」
「君には、女性のような身体になりたいという希望があると聞いたよ」
「今夜から、僕の夜の女、嫁さんになればいい」
「結婚式をしたら、市役所に届け出てもいいんだよ、同性のカップルとして」
私は、ブライダルインナーのまま、ベッドに寝かされた。脚も縛られて、自由には動けない状態だった。
「カメラマン、二人の初夜をきれいに撮ってくれ」
「花嫁をもう一度、美しく化粧してあげてほしい」
《初夜を迎える》
手足を縛られた不自然な姿で、私はベッドの上にいる。花嫁姿で、同じ男性の花婿に、抱かれようとしていた。頭の中では、こんな異常なことがあってはいけないと思いながら、心の中では、このまま花婿に花嫁として抱かれてみたい、そう思ったのです。これまでにも、女装して抱かれた経験もある、秘密にしてきたが、本当は男性とは初めてでもない。
これから、自分が美しい花嫁になって、初夜を迎える、それが現実になろうとしている。
抵抗すれば、手足の自由を奪われたままの姿で、犯されるだけ。花嫁がみじめな姿を撮影され、写真が残るだけ、あまりにも悲しい。せっかくこの日のために、準備してきたのだからと、決心した。
「待って、このままじゃイヤ、縄を解いて、オネガイ」
少し恥ずかしそうにしながら、彼に声をかけた。
「わたしのこと、姉と同じように愛してくれる?」
「もちろんだよ」
縄が解かれた、ベッドで抱かれる事に従った。肌の上を動く彼の唇。首筋からブラジャーのストラップに沿って下りていく。これから始まることへの期待、わたしは、軽くあえぎ声を漏らしていました。
「うぅ~ん、だめ‥‥」
「アッ、いや」とか口走って、しまうのでした。
でも、彼はやさしく「肌もきれいだね」と言って暮れるのです。
Cカップぐらいにふくらんだ乳房に顔を寄せた彼が、鼻先でその弾力をこねるようにした。さらに乳首を口に含み、乳房全体を手のひらで包み、握るようにしてきた。女性ホルモンで、大きくして良かった、でも、もっと大きくしたい、彼のために。

「ア、アーン」、
自分でも驚くほど大きな声を上げてのけぞっていました。
キスしてきた彼に応えていると、その手が今度は下に向かいます。
純白のショーツの上から、わたしのものに触れてきました。
黒い下着に興奮すると言ってた彼、純白の下着も気に入った様子。
「こんなセクシーな下着を、結婚式にしか着ないなんて」
「だって、結婚式に着るためのものだから」
「花嫁の純白の下着姿って、最高に興奮させられるね」
そう言って、太腿をなでてきた彼の大きな手に、わたしはまた、甘え声を漏らしてました。でも、その手がパンティに掛かったところで、あたしは両手でそれを止めました。
「もう、撮影は、ここまでにして」
「恥ずかしいのかい」
「夫婦の秘密を、他人に見られたくないの」

彼の合図で、カメラマン達二人は部屋から出て行った。
「ねぇ、こんな私でもいいの?」
「何を気にしているんだ、今は性転換の手術もできるんだよ」
「手術しなくても、いいと思うの」
「きみのバックのほうを使うんだね」
「バックでなくても、できるのよ」
婦人科の検診で、ペニクリの下に窪みがあり、子宮があることが分かった。しかし、卵巣はないので、妊娠することは出来ないと言われていた。
私のペニクリを彼が触れると、勃起し始めた。でもそれは彼のものと比べると、小さく親指ほどの大きさだった。彼の指先でわたしのものを刺激され、いつもの快感の波が押し寄せてきた。
「ああっ、いってしまう」
その時、すでに私は絶頂に達していた。前技として十分に感じてしまい、あの部分は潤い始めていた。
自分でも、こっそり指で潤いを確かめてみた。十分すぎるほど、濡れていた。今度は、彼のものが大きくなるように、口に含み、舌を絡めた。
ますます大きくなった彼のジュニアは、亀頭も大きく透明な液が、あふれるように滲み出ていた。新妻として初めての交わり、この人との初夜を迎える喜びを感じていた。
「ああ、すてきだったわ、今度は私を抱いて」
「もういいのかい?」
「初めてだから、優しくしてね」
「後ろでなくていいのかい?」
「わたしは姉と同じからだなのよ、花嫁との初夜は、ごく普通にして」
彼の身体が覆いかぶさるように、わたしの下半身に突き進んできた。
「ねぇ、正上位でして」 わたしは、初めて使うあの部分に彼を誘導していた。

少し入りにくいけれど、ゆっくりと侵入してきた彼。
「アアッ、痛い」
「初めてだったのかい?」
「そうよ、まだ誰にも許したことがないのよ」
「痛むなら、やめようか」
「でも、いいの、つづけて、オネガイ」
そのあとは、彼が腰を押し付けてきて、ぐいっと突かれた。彼の腰が押しつけられ、私の中に彼のものの存在感を感じる。 それから後は、彼に気を使わせないように、痛いなどと言わないようにした。
彼が入った後、しばらくキスを続けた。精神的に満たされるものがあり、最初の痛みが和らぎ、快感すら感じるようになった。彼の腰の動きに合わせて、わたしも腰を使った。 そのほうが快感が高まり、夫婦の共同作業で強く結ばれているとさえ思えた。
《女の悦びに充たされて》
彼のものがまたゆっくりと前進し、わたしの中へと入ってきます。その途中、一瞬、腰の中心というか、わたしの女性本来の性器の奥の方が、じんとしびれ、全身が震えました。 彼の亀頭が、わたしの膣内のGスポットに触れたのです。
「‥‥アアッ」 彼に何というか、「すごくいい」なんていうのが恥ずかしかった。彼の体にしがみつくようにして、彼を両手で抱えるようにしていると、さっきより速く、強く、突いてきました。
「アァー、いい、アッ」
さらに彼の突きが速さと強さを増し、そのたびにのしかかってくる体重. 正上位で、両方の脚をあげ、不自然に折り曲げられた腰。
わたしはその突きに呼吸を合わせ、あえぐ声が大きくなっていました。
彼の腰が往ったり来たりする、そのピストン運動に合わせて、往きも、帰りも喜悦の声となって、それが彼を興奮させる。
興奮した彼が、さらに激しく腰を使い、メスとなったわたしの全身の神経を駆けめぐり、しびれさせるその感覚に、理性や思考も停止し、私はただ官能の喜びを求めていました。
わたしの中を往ったり来たりしている彼のペニス、興奮し勃起すればするほど、反り返るその熱いもの。 反り返ったその先端が、わたしのGスポットを微妙に圧迫、刺激しながら往復しているにちがいありません。
これまでも、女装して、何度か後ろから男に抱かれたこともあった。痛みに耐えるだけのその行為を、セックスと思っていた。でも、今夜、人生で一度も味わったことのない女性の部分で、彼を迎えた。
その強烈で連続した刺激に、わたしはシーツを握りしめ、その後は彼の肩を抱き、女としての官能の悦びに支配されていました。
「素敵だ、君の姉さんとおなじ、それ以上だよ」
「姉さんと同じように、愛してくれる?」
「姉さんも好きだったけど、君はそれ以上だよ」
彼のペニスの形や角度と、わたしや姉のあの部分の位置や感度は、奇跡的にぴったりなのにちがいない。 初めて抱かれて、こんなにも感じるなんて、身体の相性ということを感じました。だから、これが運命の出会いかもしれない。そんなふうに思いました。
そして‥‥、男同士では得られなかった、男女のセックスの悦びを今感じている、そんなふうにも思いました。 その悦びをもっと完璧なものにしたくて、私は、あえぎながら、声をあげていました。
「‥‥アッ、アッ、いい、いいの」
その言葉に、彼は、さらにあたしにのしかかり、腰の動きが早くなりました。気をつけながら、彼の腰が激しくぶつかっている部分に手を差し入れました。
彼の陰毛を感じながら、指先をその位置まで持って行くと、太くなった彼のものが、あたしのそこを出たり入ったりしているのがわかりました。荒い息をしながら、彼に向かって思ったままを声にしました。
「アッ、アッ、私のこと好き?」
「あ、ああ‥‥好きだよ、もう離さない」
彼の睾丸が、あたしのあの部分を、ひたひた打つのも感じ、あたしは大きくあえいでいました。
「アア、いい、アアッ」
「もう‥‥イキ、そうだ」
「ああ、来て、来て」
「いってもいいかい? アアッ、イク、イク」
「オネガイ、わたしの中に‥‥いっぱい、出して」
その瞬間、彼の体が、瞬間止まるような、わたしの体の中で、何かが跳ねるような、というか、はじけるような感覚が伝わりました。彼はそこで、これまでとはちがう、押しつけるようなピストン運動を数回しました。
わたしの身体の上に彼の身体の重さを感じ、子宮の中に温かいものが満ちていくのを感じました。
いつものオナニーとは違い、たぶんオルガスムに達していたのか、その後しばらくは悦びに支配されていました。

姉の身体には、子宮も卵巣もあった。妊娠して彼の子どもを産むことも出来た。
しかし、私には卵巣はない、それでも、子宮と精巣があり、膣で感じるのと同時に射精する喜びが与えられた。
たとえ妊娠できなくても、男としての絶頂を迎えると共に、女としての悦びを感じ続けることができる身体、それだけでも幸せなのかもしれない。
結婚式は、無事に終わりました。
結婚式では、彼から新しいウェディングドレスがプレゼントされたのです。
姉のウェディングドレスで”身代わりの花嫁”ではなく、私は自分のために作られたウェディングドレスで結婚式を挙げました。彼は、私を妻 "ヒトミ" として迎えてくれたのです。
新婚初夜の二人は、新婚の夫婦どころか、夜が更ける頃には雄と雌になって求め合った。彼を膣で受け入れながら、アクメに上り詰めたときには、絶頂に達して射精していた。
今では、すっかり彼の妻として暮している。もう、母と姉が震災で亡くなってから27年、今年も5月17日、父の命日を迎えた。お姉さん、あなたの分まで幸せに暮しています。

今日も、西宮の自宅から、家族が眠る墓地にお参りにきました。
「お参りにきましたよ」
そうお墓に向かって話しかけながら、姉が愛した人の妻として、墓前にお花を捧げるのです。
ホームページにもどる
コメント