【目次】夢は夜開く(女装・和美)
【1】《夜は妻の遺品で》《女装オナニー》《芦屋の宴》《出張の夜》《他人ではない》
【2】《
内緒で楽しむSM交際》《目隠しをされて》《メス逝き,極楽往生
【3】《女になるとき》《女としての悦び》

【あらすじ】踊りの家元である義父との関係は、義父に仕組まれたものだった。”美しい男を抱く”という趣向を楽しむ会、雄獅会で知り合った男性に、女として抱かれて、しだいに惹かれてゆく。

《女になるとき》

 女装した私に欲情して、激しく求めてくれる男たちとの異常な性の宴、その時、自分は"おとこ"でなく、女なのだと思いながら抱かれることに抵抗を感じなくなっていたのです。妻の父親である家元よりも、雄獅会で、また抱かれたいと思う人が現われたのです。

 雄獅会というのは、会社の創業者の一族で十二星座のしし座に生まれた、企業のオーナーの集まりだったのです。ゴルフやポロ、クルーザーで釣りを楽しんだり、女遊びに飽きたら”美しい男を抱く”という趣向を楽しんだりするのです。

 時には自分のお気に入りの”愛人”それは女とは限らないを、自慢するかのように「雄獅会」に参加させることもあるのです。 『同じ女とセックスすることで、同じ穴を共有する関係』=”義兄弟”になるという事実、そのことを、雄獅会のKさんに教えられたのです。

「君は家元の愛人だね、家元から大事にしてくれと言われているから」
「えっ、そ、そんな」
「君が他の男に抱かれるのを見たくないから、家元は来ないんだよ」

「家元より、俺のほうがいいだろう、また家元に内緒で会いたい」

 Kさんに言われて、内心うれしかったのです。

 雄獅会が終わって数日が過ぎた頃、休みの日に、自分でもどうしていたのか、自宅近くの三田市にあるアウトレットや大阪市内の婦人下着の店に行き、通販でも悩ましい下着やランジェリー、お洒落なドレス、を次々に購入した。

 新しいレディースの服、女性用の下着を身につけることで、妻のまねではなく、自分らしい姿に女装したくなった。

 自分が愛した妻の下着を身につけて、亡き妻の父親とのセックスをする自分の背徳行為、さらに、妻の母でもある家元の妻に気付かれないよう、関係を続ける後ろめたさ。それを亡き妻が知ったら、悲しむだろうと思うようになったのです。

 義父に抱かれていても、妻や義母に対する背徳行為に悩み、心の中ではKさんに女として抱かれたい、義父以外の男性に女として抱かれて感じる悦びに、悩むようになったのです。

 男でいるよりも、女として愛されたい、それではいけないと悩み、少し精神的に不安定になった私に、知人から「自分の性に関する悩み」と向き合い、自分の気持ちに素直になってみないかと言われたのです。

 そんな風に割り切ることができたのは、着付け師の富川さんから「メンタルクリニック」を併設した尼寺を紹介され、診察を受けたからだった。

 そこを私は、ひとりで訪れた。受付が終わると、採血などの生理学的な検査、身体的な検査、臨床心理士による心理検査があった。
 一週間ほどして、クリニックで診断結果の説明があった。翌週には、尼寺で面談があった。精神科医でもある年配の尼僧に自分の気持ちを聞いてもらい、心の整理ができたというか、迷いが吹っ切れた。

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 それから、数日して、Kさんから誘いがあった。私は、家元には内緒で出かけることにした。約束の日、私は,三田の家の前で待っていた。

 Kさんの車で、有馬にあるGホテルに向った。 有馬でも一番と言われるホテル、そのレストランで神戸牛を味わい、ワインで程よくのどを潤した後、夜はGホテルで泊ることにした。

  Kさんが有馬の湯、金泉を楽しんでいる間に、客室のバスルームで女としての準備をした。 自分のために買った香水、ブレスレット、当然、ロングのウイッグも、ネックレスも自分のために選んだものだった。

 夜は、真新しいジバンシーの下着で悩ましく装った。ウイッグは、専門の店で自分に合わせてカットしてもらった。 高級婦人靴の店では、恥ずかしいのを堪えながら、ハイヒールのサイズを合わせてもらい選んだ、と言ってもその時は女装していたのだが、自分のもので美しい女性に変身することに満足した。

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 胸をぎゅっと締め付けるブラ、ガーターベルトで吊ったストッキングに包まれた脚、下着の肌触りに満足しているとき、金泉で程よく温まってきたKさんを迎えた。

 ベッドの中で、Kさんに抱かれて、身につけた黒いランジェリーの上から、乳首を撫でられていた。

「この乳首は、感じやすいのか、もう硬くとがっている」
「イヤーン、そんな風に指先で触るからよ」
「今夜は、いい返事を聞きたい、もう決心はついたかい?」
「そんな、慌てないで、今夜、しっかり満足させてくれるの?」

 私は彼を小悪魔風に上目使いで見つめていたら‥‥すると彼の方からキスしてきて、耳元でささやくのです。

「君の望むようなことなら、何でも」

 その後、強く私を抱きしめて、段々激しいディープキス。大人の魅力を持ったイケメンの彼のディープキスに、私は女になりきって受け身になっていました。さらに、彼は私の耳から首筋を丁寧に舐めてくれました。そのあと、ふっくらとした私のバストに彼の手が伸びてきました。

「感じやすいオッパイみたいだね、大きくしたのかい?」
「あ、ああっ・・・ダメッ」
「本当は、ダメじゃないんだろ」
「感じすぎるの、アアッ」

 ベッドに横たわる私のブラジャーの上からオッパイを揉まれていた。次には、乳首をブラの上から摘まむようにされ、乳首が硬くなっていた。

「こんなに乳首が尖って、ブラの上からでもわかるよ」
 
 彼の指先の刺激が与えられ、さらに硬くなっていた。 乳首への刺激が10分近くも続けられた、微妙な快感に支配され身体が反応し始めた、私の下腹部のパンティーの中に隠されたあの部分も、勃起し始めるのを感じた。

「君の身体は正直だね、ここも硬くなってる」
「恥ずかしい、イヤっ!」

 パンティーの上から撫でさすられ、声を上げそうになるのを我慢していた。

「硬くなって悩ましいパンティが、濡れてきているよ」
「アッ、そんな風にされると・・・アアッ」

 快感にこらえきれず、声をあげた。自分でもあの部分の先端から、とろーっと透明な液体が出て来るのが分かりました。パンティーを少し下げて、彼が指で私のあそこに触れてきたのです。
「こんなに濡れて」
「恥ずかしい…」

 そう思うほど、彼の指先の刺激に翻弄されていました。

「こんなに濡れて、本当に淫乱な部分だね」
「クリよりも何倍も大きいから、よく感じるんだろ」

 わざと私が恥ずかしがる様に言って、パンティーは脱がされてしまいました。 大量に流れ出た愛液を舐め上げる様に、舌を絡め、口に含んでくれました。

「あっ、あっ、あっダメ!イヤ!」
「イヤでも、イイ、今夜は何度でも、逝かしてあげよう」
「イヤ~!イッちゃうからダメ~」

 彼はわざと指で私のアソコをいじくり、ピチャピチャ音をさせるように頬張ります。

「こんなに濡れちゃって、凄くヤラシイね!」
「あっ、あっあっ……」

 暖かい口に中に含まれて、その刺激で、エナメルのハイヒールを履いた脚を伸ばし切って、甘美な快感に耐えながら、最後には身体がのけ反るように、逝ってしまいました。

 あらい息づかいの私、しばらく腕枕をしてもらいながら横になっていました。 手渡された冷たいお絞りで私のあそこを拭き、女性にあるはずのない部分を隠したくて、脱がされ足もとにあったパンティーを穿きました。

 今度は私の番です。ベッドにあおむけになっている彼の乳首を、舌で転がしたり吸ったりしてあげました。 柔らかかったものが硬くなってくるのを確かめてから、Kさんのそそり立っているものを手のひらで包み込むようにしながら、たっぷり唾液を溜めて、亀頭の周りを舌でグルリと舐めてあげました。

 思ったより太くなったもの、入るところまで口に含み吸い上げたり、横からハーモニカを吹く様に竿を軽く吸いながら上~下へ…左手で我慢汁でヌルネルの亀頭を優しくクリクリしました。

「あっ、…あ、あっっー」

 彼の喘ぎ声の音量は更に上がり、と喘ぐと言うより、もはや叫び声になって来たので、口に入るだけ含み吸い上げて、根元部分を握りしめながら、口を上下に動かし続けたのです。

「あっ、あっ」
私の頭をそっと撫でていた彼の指に力が入り、さらに私が頭を上下させてあげたらドクドクと精液が出てきたのです。

 彼は私の口の中で、逝ってしまいました。私で逝ってくれたと思うと,なぜかいとおしくなり、全部飲み干してあげたのです。

 最後に亀頭の先をチュッってキスしてあげたら、彼の腰がピクッって引いた…クスグッたかったみたい。 家元の精液より、彼の精液のほうが飲みやすいというか、私の好みの味だったのです。


《女としての悦び》

 有馬温泉での夜、私はブラジャー、ガーター、ガーターストッキングという姿でKさんに抱かれていました。お互いを口に含み、私もKさんも一度逝ってしまった後、ホテルのルームサービスでお酒を楽しむことにしたのです。

 ルームサービスが来る前に、和装に着替えるように言われ、私はランジェリーを脱ぎ去り、和室で腰巻、肌襦袢、小紋の着物を着つけてから、和装用のウイッグを頭に合わせ、ずれないようにピンで留めました。白い足袋を履き終わる頃、ルームサービスが届けられました。

 Kさんは、ホテルの用意した浴衣を着てソファに座っていました。 灘の生一本でなくKさんは、お気に入りの大阪池田の地酒「呉春」、私は昨年から何度か飲んだことのあるスコッチウイスキー「バレンタイン17」を頼みました。

 大吟醸”呉春”の四合瓶、バランタイン17のボトルもほぼ同じ大きさです。 まず、呑みやすい日本酒からということで、呑み始めました。レーズンバターや生ハムサラダ、サーモンのカルパッチョをいただきながら、私がアイスサーバーの氷をグラスに入れて、バランタインの水割りを作りました。

 呉春を2杯ほど飲んだ後、少しアルコールの度数が強めのスコッチウイスキーに、私は少し酔っていました。

「今から、きみは僕の女になってもらうよ」

「和装で女装している君を今夜も、僕の好きなようにさせてもらうよ」
 そう言い終わると、着物の帯を解き肌襦袢だけの姿にされたのです。そして、和室に敷かれた布団の上に、座らされたのです。

「少し痛いかもしれないが、二人でSM的に遊ぼう」
「君が勝手に動けないよう、縄で縛らせてもらうよ」

Kさんが長い縄を手にして、私の手を縛り、身体を縛り彼のするがままにされていました。


yumewaC3「白い肌襦袢の姿で、こうして縛り上げた君は女として色っぽさがにじみ出ているよ」

「胸の部分は、女のような乳房だな、縄の隙間から乳房のふくらみが飛び出しているのもいいよ」

「今夜だけでなく、これからもずっと俺の女だ、家元のことは忘れてしまえ」

「そ、そんな、家元に内緒で、そんな」
「家元のことも、男だったことも忘れて、女になるんだ」
「そ、そんな」
「家元も承知してのことだよ」

「それじゃあ、楽しみながら、少しずつ分からせてあげよう」

 縄で縛られた私を、布団の上に寝かせて、電動のローターを動かし乳首の周辺に触れさせるのです。 ジーンという音と共に、乳首周辺に刺激を与え始め、耳元で「声を出してごらん、女のような」とささやくのです。

「ああ-、ダメです」
「ダメなら、もっと感じやすいところを探そうか」

 手が縛られていて、身体を動かして避けることもできない、ローターの振動が乳房に触れ、さらに微妙な振動が 胸、うなじ、脇腹と位置を変えながら、スイッチで振動も強弱をつけローターが這いまわるのです。

「うなじや首筋も、弱いんだね」
「アアー、アアッ」
「感じたら、そのまま素直にもがけばいい、その方が俺も楽しめるんだ」

「次は、足の先、くるぶしや太腿を可愛がるとするか」

私は縛られたまま、布団の上で横になるように寝かされたのです。

「真っ白い足袋もいいが、脱いでもらうよ」

kinnyouB3 今度は、今までのものと違い、少し小型のピンク色の電動のバイブ、スイッチが入るとブーンと揺れる音がするのです。

 脚の指先、指の付け根を親指ほどのバイブのヘッドが舐めるように触れてくるのです。

「いい、アアーン」
「何を、ぴくぴくしてるんだい、ここが気持ちいいのかい」

 そう言いながら、私がのけ反り、身体が反応してぴくぴくするのを彼は楽しむのです。

「アアーッ、・・・」と言えば言うほど、同じ場所を執拗に攻めてくるのです。

 膝から太腿を少し開かせて、襦袢の裾をめくるようにして、振動するヘッド部分を押し当ててくるのです。 小型にもかかわらず、スイッチを強にすると振動はかなり激しくなり、感じるというより痛いほどです。少し緩めた時が一番感じやすい刺激になるのでした。

「アアーン、アッ」
「これぐらいが一番いいんだな」

 そのことに気付いた彼が、さらに私の敏感な部分に密着させて楽しむのです。機械的なその刺激が太ももから電流が流れるように、快感が伝えられ、身体全体が性感帯になっていくのでした。

30秒、1分、もう限界でした。
「ダメッ、ああ、いいわ」と喘ぎ声をあげた時、刺激が突然とまったのです。その時、彼がスイッチをOffにしたのです。

「やめようか、おもちゃで逝きたくないだろう」
「ああ、いじわるぅ―、やめないで」
私は懇願するように、彼を見つめました。

「おもちゃはこれぐらいにして、俺の手で感じさせてあげよう」
襦袢をめくり、腰巻の中に彼が手を入れてきました。

「まだ、直に触ってもいないのに、こんなに濡れている」
「イヤッ、恥ずかしい」
「こんなに大きくして、恥ずかしいだろう」

 彼の手が触れただけでも、全身性感帯になった身体はその刺激で逝ってしまいそうでした。

「アアッ、アアー」、快感が電流のように身体をしびれさせるのです。
「恥ずかしいなら、小さくしてごらん」
 Kさんはそう言いながら、さらに亀頭の先端を指先で触れ、手のひらで握りしめるのです。

「イヤッ、そんなにしたら、ダメッ」
「ダメなもんか、今ここで、もっと楽しめばいい、ほら、また固くなってきた」
「大きなクリトリスだ、膨らんでるだけでなく、蜜がいやらしく溢れ出ているよ」
「アアッ」
「どう見ても、女の君が、女にはないはずのもので感じてる」
「ああっ、恥ずかしい」
「そうやって恥ずかしがるのがいいんだ」

 何度も指先と手のひらで扱かれ、その快感に支配されていました。
「今夜からは、ここは俺のためにあるんだよ、女にはない特製のクリトリスだ」

 彼の与える刺激は、時には速さを変え強弱をつけ、私が身体をよけることもできず、絶頂を迎えようとしていました。

「これからは俺の女だ、家元から君をもらい受けた、いいか」
「アアッ、いいわ、あなた、このまま、逝かせて・・・」
 すぐそこまで絶頂を迎えようとしていたのに、突然、彼が手を放してしまった。

「アアー、逝かせて」
「俺の女が一人で逝くなんて、許さない」
「あっ、そんな、意地悪しないでっ!」
「意地悪どころか、今度は,極楽に逝かせてやるよ」

「俺の硬くなったもので、極楽に逝くんだ」
「うれしいわ、早くっ、逝かせて」
「我慢するのも、後の悦びが強くなって、楽しみを倍増させるんだよ」

 布団の上で、縄を解き手足を自由にしてくれたのです。そして彼が後ろに回り、腰を抱えるようにされました。

「少し、滑りをよくしておかないと」
 彼は、ローションの入った容器を手に取り、私の後ろのつぼみの部分に塗り付けるのでした。もちろん彼の浴衣から突き出している硬くなっているものにも、透明の液がたらされました。

「早く、オネガイ」
「そんなに逝きたいか、焦らなくても、すぐに極楽に往生させてやるから」

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 それからは、私と彼はある部分で繋がり、激しく突かれていました。
なすがままに、後背位の時は彼の動きに合わせて腰を動かし、正上位の時は両脚をM字に開脚して、彼を迎えるようにしていました。

 縄を解かれた分だけ、身体を動かしやすくなり、それまでより感じやすくなったのです。

 屈曲位の時、わたしのGスポットにあたるのか、官能の悦びが私の身体を貫き、息もできないほど喘ぎ、何度も逝ってしまう感覚で、喜悦の声をあげていました。

「ああーー、いいわ、いいっ」
「ここが、ポイントだな!」
「あっ、ああっ、だめっ」
「そんなに、感じてるんだな、ほら」
「アアー、ダメッ、おかしくなっちゃう」
「もう、逝くぞ、イクッ」

 彼が声をあげ、彼の動きが激しくなり、最後に、「アアッ」というと同時に、私の上にかぶさるようになったのです。 ドク、ドクッとほとばしるように、彼の精液はすべて私の中に注がれた。いつの間にか、私も逝ってしまったのか、自分の腰巻の布に白い精液が飛び散っているのに気が付きました。 私が”メス逝き”したことをKさんも喜んでくれたのです。

 じつは、家元に抱かれていたころ、エネマグラを渡されて自分で前立腺を刺激するように言われていたのです。でも、サイズ的に合わなかったのかアネロスという製品を取り寄せて、自宅で試して逝けるようになっていたのです。

 その快感を覚えてから、後ろに挿入されて精液が出なくても感じるようになったのです。家元とのセックスで逝けなくても、エネマグラで射精する歓びもあったのです。

おしぼりでKさんのあの部分をきれいにしてから、私が浴室に入るとKさんの精液が太ももを伝いました。

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 浴室でシャワーを浴びて、髪を乾かしてから、水割りの準備をしました。
その時私は、薄く透けるようなベビードール、Tバックの下着を身につけていたのです。

 ソファーに座っていたKさんに水割りのグラスを手渡し、私も彼の隣に座った。

彼に抱かれながら、二人でお酒を飲み、Kさんの話を聞いた。

  一年ほども前のこと、雄獅会でKさんの愛人(女性)は、家元に抱かれて一夜を過ごした。その後も、何度かKさんに内緒で交際して、家元に抱かれていた。
 それだけでなく、彼女は妊娠した。検査の結果、Kさんでなく、家元の種であることが分かった。

 その頃、Kさんは正妻もあるが、妊娠しない女性・・・ニューハーフの愛人が欲しいと思っていた。普段はおとこだが、夜は女になって自分を楽しませてくれる、そういう相手を探していた。

 そのことを知った家元が、女装で踊る私を、東京で抱き自分の女にして雄獅会に私を参加させるように仕向けた。 ちょうどよいことに、Kさんが気に入り、娘を亡くした家元は子どもを欲しがり、Kさんの愛人と自分の愛人を交換することになったというのだ。

 話し終わってから、Kさんは「先に寝るよ」と言い、ベッドルームに入っていった。もう一度、抱かれるかと思ってベビードールを身につけた私は、あの日のことを思い出していた。

 家元は、東京でわざと私を女装させて、その夜、アルコール度数の高いカクテルで私を酔わせたのだ。 その夜、私は家元に女として抱かれ、そのホテルで女にされてしまった。 ニューハーフ好きなKさんに差し出す愛人として、家元に仕掛けられた罠にはまってしまった。

 情けない自分が恥ずかしかった。 私を利用した男、それも亡き妻の父に抱かれる関係から解放されたい。その夜、私は決心したのです。

 翌朝、ベッドに寝ている彼を、そっと起こしました。
「夕べは、嫌なことを聞かされてしまったね」
「Kさんに教えてもらってよかった、」
「ゆっくり朝食でも食べながら、これからのことを話そう」

 外の景色の見える席で、Kさんと二人のホテルの朝食を食べながら話した。かなり、ゆっくりした食事になった。

 女装した私を、女として求めてくれるKさん。道具として、私を抱いた家元から離れたかった。亡き妻や、妻の母に隠れて淫らな生活をするよりも、私は、彼の”女になる生活”を受け入れた。

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 その後、家元との関係を断ち、私は三田市の家を離れた。妻の形見の着物をひとつだけ、嫁入り道具として 想い出に持って出ました。Kさんの税理士法人の事務所のすぐ近く、彼の所有するマンションに移ることになったのです。

 西宮での生活は、ご近所の人とはあいさつ程度で、控えめな妻を装い暮しています。

 昼は、税理士事務所のスタッフ、夜は愛人として暮らし始めました。私は、ある手術を受けました。Kさんの望むFカップの大きさに豊胸して、髪を伸ばしました。

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 阪急西宮北口から徒歩で数分の住宅地、夜はとても静かな地域です。

新築の家には、ピアノを置くための部屋として、完全防音の”快楽の間”があるのです。夜は女として完全防音の部屋で、官能的な悦びを与えられて満足しています。

でも、時には刺激が欲しくなり、雄獅会以外にもKさんと参加して、夢のような夜を過ごすのです。



《終わり》



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