《1》日曜 女装する男の娘たち【1】

 仕事や人間関係でストレスをためている方が、女装している人の中には多いような気がします。そういう私も、女装する時だけストレスを忘れて、楽しむことができたのです。 今からお話しするのは、何人かの女装する男の娘の体験談です。

【目次】女装する男の娘たちの7Days 
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女装する男の娘たち【1】《日曜》お花見ドライブ
女装する男の娘たち【2】《月曜》電車で痴漢されて 
女装する男の娘たち【3】《火曜》職場で、女装すると噂されて
女装する男の娘たち【4】《水曜》残業はモデルハウスで
女装する男の娘たち【5】《木曜》職住接近が理想の関係
女装する男の娘たち【6】《金曜》週末は、あなたのメイドになって
女装する男の娘たち【7】《土曜》ネットで出会った年下の彼


お花見ドライブ  

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 日曜日の朝、のんびりしていると電話が・・・しばらくして切れた。

 誰からだろう、ふと、気になって着信記録を見ると、大学の同級生だった。その瞬間、私は学生時代を思い出していた。

 私は、同じ学科の女学生に恋をした。 しかし彼女は、骨肉腫という骨のがんにかかってしまった。

 手術を受けてからも、ずっと入院している彼女に頼まれて、講義のノートを見せる約束をした。大学から病院まで、毎日のように病院に行き、彼女にノートを渡しているときに、彼に出会った。

 病室で、3人で楽しい話もした。2月の 試験の代わりに,彼女はレポートを提出。春が近づくころ、梅の花の蕾が赤くなり出した。

「梅の花見は無理だけど、桜が満開になったら、皆で花見をしよう」
「私も、もっと元気にならなくちゃね」

 その数週間後に、彼女は帰らぬ人となった。

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 彼女の葬儀の後、家族の方から彼女の部屋を借り受けることになった。僕は、数日前に借りていたアパートが火事で焼けてしまったのだ。

『娘の部屋でよかったら、家具も電化製品も、そのまますべて使ってください』
火事のことを知った彼女の両親から、思いがけない申し出があった。

『娘のために買ったワンルームです、お役に立つなら,どうぞ』

卒業までの期間という約束で、その部屋を借りた。

 その夜から、僕は彼女の部屋に入った。 部屋の入り口には「ゴミの日に捨ててください」 そう書かれた袋が、5個置かれていた。

 ゴミ出しの袋を触ると、衣類が入っていた。 彼女のワンピースやスカート、下着、ヘアーウイッグ。

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ウイッグは、抗がん剤で髪の毛が抜け落ちた彼女が使用したもの、 彼女の想い出として、捨てることはできなかった。

 僕はいつしか、彼女の衣類を身に着け、土日を過ごすようになった。 そんなある日、突然訪ねてきた彼に秘密を知られてしまった。

 彼女の部屋で、彼女の下着を身に着けたワンピース姿の私を、彼は抱いた。 彼は彼女の代わりに、僕を抱いた、卒業するまで。

 あれから8年が過ぎた。今、出張で大阪に来た彼からの電話だった。

 「あさってまで,出張なんだ、大阪にいるんだ」
「じゃあ、今夜、うちに泊る?」
「今日は休みだろう、出かけないか?」
「こんなに、寒いのに」
「もう、梅の花が咲いているよ」

「じゃあ、支度するから」

 実は、もう支度はできていたのです、と言っても、スリップ姿ですが。 お洗濯ものを、この姿で干していて、とても寒かったのです。

 青空に、うすいピンクの梅の花。
「寒いけど、もう春なのね」

大阪城の梅林は思った以上に咲いていました。
枝によっては、まだ蕾のまま。

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「明日からは暖かいから、きっと満開になるでしょうね」

 風は少し冷たく、ひんやり。車で走りながら、二人の会話。
「あの蕾は、いつ開くかしら」
「君の蕾だったら、もうすぐにでも開きそう」
「バカね、すぐHな話になるんだから」

 そう言いながらも、蕾が開くという言葉に、期待していました。ワンピースの下は、彼女の身に着けていたものにしていました。

 ホルモンで少し膨らんだ胸、薄いピンクのスリップは彼女のもの、今でも大切にしています。

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 この梅の花の公園から、10分ぐらいで、すぐ近くにホテルもありましたが、どこも、ほぼ満室でした。

rose12 「みんな、もう春なんだね」
「お花見の後、することは一緒ね」
「花が咲いて、おしべとめしべが合体する」
「私達って、めしべがあるのかしら?」
「君にも、後ろに、つぼみ(蕾)があるだろう」

 彼と暖かいホテルの部屋で、彼に抱かれて、私も満開になった。
彼のおしべから、私の奥深くに満たされた、幸せな春の一日でした。


《つづく》  続きは、女装する男の娘たち【2】
 




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