想い出に残る夜<

それは、4年前のことでした。
 
「海外に赴任するから、もう一度会いたい」と彼からの電話。
 
 同じ大学の同じ教授の研究室の出身、というか取引先のお客様。
まだ、女装の初心者だった私が初めて経験したお相手でした。あまりの突然の話しで、驚いていた私。

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「じゃあ、5日ほど先で、金曜日の夜、絶対だよ」
私の指のサイズを聞くと、彼の電話は切れた。

 阿倍野ハルカスで待ち合わせ、食事をしながら彼の頼みを聞いた。
彼との想い出に残るような夜にしようと提案があり、その夜はウェディングドレスを着てもらいたいという事になったのです。
 
 9階の催し会場ではウェディングドレスのセール。7時過ぎの会場には客は少なく、そこで19号サイズのドレスを見つけた。

 多くの人はまだ仕事か、または帰宅途中の時間なのでしょう。私たち二人は、ウェディングドレスとスーツケースを持って、日本一高いハルカスのホテルにチェックイン。
 
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 ブライダルインナーを身に着けて、ドレスを着るころには、花嫁として愛され、女としての自分を捧げたいという気持ちが高まってくるのでした。

 カメラをセットして写真を撮り終わると、寝室に入り、ウェディングドレスのままで抱き合ってキスをしました。
 
 彼の愛撫は、女装子を扱いなれているから優しくキスをしながら、あいている手で敏感に感じやすいスポットを微妙に刺激するのです。ウェディングドレスの裾から差し込まれた彼の右手がショーツに届き、そこにはレースの白いショーツに隠された部分が形を現していました。
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 さらに彼の手で微妙に刺激され、花嫁の下腹部にはないはずの部分がショーツを押し上げ、彼の愛撫に強く感じ始めているのでした。

「ほら、先端から透明な液があふれ出てくるよ」と彼がささやく。
そう言い終わらないうちに、ショーツを下げて中から飛び出した肉柱をしごくようにしながら、口に含み根元に添えた指を微妙に動かすの。

「アアーン、・・・・・」  声にならない声をあげて、下半身に与えられる刺激が、強い快感にかわりもう少しで達してしまいそうな時に、彼は手を止め、口を離した。

「もうすっかり快感のとりこだね。でも、まだ楽しみはこれからだよ」
 
 彼の手で身体の向きを変えさせられて、目の前に我慢汁で光る肉柱があった。するめのような匂いがする彼のものは、これまでにも何度か含まされて口内発射されたことがある。

 ウェディングドレスのまま奉仕する私の姿に彼は満足そうだった。
「今夜はこのままイクゾ。オレの味を忘れないためにも」
「ええ、いいわ。口の中で、いっぱい出してね」
 
 栗の花のような匂いと、少し苦味のある精液が口の中から喉を通っていった。
  「エッチな花嫁さんだね。ここをこんなに濡らしているなんて」
  「いやっ、言わないで、恥ずかしいから」

「恥ずかしがらずに素直におなり、花嫁は今夜、私の嫁になるんだよ。」
「さあ、花婿の固くなっている部分を触ってごらん。」
 
 黒光りがするほど硬く大きい彼の股間のものは、これまでにも私を貫き、射精を伴わないオーガズムを与えたこともあった。はじめは正常位、その後は足を持ち上げ屈曲位で深く貫かれ、そのピストン運動で痛みを感じて、泣いたこともあった。
 
 しかし、優しい愛撫の後ベッドに仰向けにされ、はじめは指で微妙な刺激の後、彼の男性自身が入ってきた。指で感じていた部分の近くをこすり上げられているうちに、痺れるような感覚の後、身体を絶頂感が走りぬけた。
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 ドレスを濡らしてしまう、そんな心配をしていたが、実際にはそんなことはなくて、二人は姿勢を変えて、私は騎乗位で彼の上で腰を使うのでした。

 その後も彼の上で、私は感じ続けていました。彼もも腰を合わせるようにして、のぼり詰めて、私の中で精を放出したのです。

 その後、姿勢を変えて荒い息のまま彼が、かぶさってきた。私の一番女らしくないあの部分を、口に含みながら、彼は感じている私の表情を小さなデジカメで写した。さらに私が彼のものをフェラチオしている時もデジカメで写し、そのあとでふたたび挿入。

「ああっ、なんかいつもと違って、すごく感じるの」
「いいよ、もうこれ以上、我慢できない、オレもイキソウ」
「あー、いいのよ、もうすぐ、いくわ」

「いくよ、いってもいかいい」
「ええ、いってね、だめっ、アアー」
「いくよっ、ああー」
「いいわっ、あっ、・・・」

 私たち二人はいつもと同じように正上位になってすぐに達してしまった。プレイ下着で愛される時よりも、ウェディングドレスで愛されるって、癖になりそうです。
 
 いつもより深く感じていたことを伝えたら、強く抱きしめられた。

「今夜のことは忘れないよ、素晴らしかった」とささやいてくれた。

「今度、僕が君を迎えに来たら、本当の結婚式を挙げよう」
 さらに驚きのサプライズ、彼が差し出したのはエンゲージリング。
 
「ずっと僕のそばにいて、いつも女性で妻として暮らしてほしい」
「同性の結婚が認められている国だから、一緒に暮らさないか」

日本一高いビル「ハルカス」、そのホテルの窓から夜景を眺めた。
彼と並んで窓辺に立った私、あふれる涙で、景色は滲んでいた。


 あれから、4年、コロナで彼に会いに行くことも出来ず、寂しい時間が流れた。
「所詮、女装子との関係なんて、離れてしまえばおしまいよ。」
お店のママから、そう言われて、ほとんどあきらめていたのです。


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今、結婚式が終わった。
大川のほとりにあるT国ホテルで、二人と少しの知人だけの結婚式。
4階にあるチャペル、背の高い神父さんは外国の方、流れる賛美歌のあと、ベールを脱いだ花嫁に彼のキス。

 22階での披露宴。スイッチを係の人が押すと、天井までのカーテンが大きく開き、まばゆい光の中に私は立っていた。






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