【目次】姉がわたしで、わたしが姉で 
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《第1章》 まさかの入れ替わり
《第2章》 初体験は女の子になって
《第3章》 7月の花嫁になって


【第1章】まさかの入れ替わり

 入れかわり、それが起きるなんて・・・ 何気ない毎日の繰り返し、変わったことなんか何も起きないと、 それがごく普通と思っていた、それは当たり前のことなんだけど。 でも、世の中には、説明できない不思議なことが起きることがある。

それは今から、10年ほど前にさかのぼる。 当時の僕は、ヒロシ、17歳、大阪府の北部、豊中市に住んでいます。 昔は女子校だった、桜坂高校の3年生、サッカー部を辞めてから、帰宅部。

 家に帰ると、「勉強しなさい、勉強を」と念仏のように、口うるさい母の勝子がいる。 家が浄土宗の寺だから、念仏は父も唱えている。でも、父はうるさいことは言わない。

「大学に入って、お勉強をして、立派なお坊さんになりなさい」と、母から言われるのが嫌だった。 それだから、まっすぐに家に帰らず、友達と岡町の商店街や千里中央のショッピングセンターで遊んでいる。

 それに比べると、姉の百合子は勉強ができて真面目だ、と言うか母のお気に入り。 成績も良く、京大進学者数トップの十三高校の3年生。 姉と言っても、僕と同じ17歳、僕たちは双子なのだ。
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 双子と言っても、差がありすぎ、何をやってもうまく出来る姉。 似ているところを探すとしたら、声が似ているのと、身長が168㎝で同じぐらいということ。 でも、それも姉は航空機の乗務員(キャビンアテンダント)の基準をクリアしている。

 スタイルも良くて可愛い。大阪国際空港も近く、航空会社への就職を目指している。 168㎝でも、男の僕は背が低くて、チームのレギュラーにもなれず、損なことが多い。

 夏休みが近づく7月のはじめ、期末テストは予想通り、平均点が50に届くかどうか。

「成績が悪かったら、夏休みは無し、予備校の夏季講習に行くのよ、お寺の掃除もね」

 期末テストの返却の後の土日は、母に言われて、寺のお盆前の大掃除の手伝いだった。 本堂の掃除、すべての物を移動して、すすやほこりを払い、また元のところに戻す作業で汗びっしょり。

 その分、終わったあとで母からバイト代をもらえた。 すぐに駅前の本屋に行き、人気グループやアイドル、それも巨乳の女性アイドルの水着特集の雑誌を手に入れた。 夏休みのオナのおかずにするため、ネット上の画像を印刷するプリンタ用の光沢紙も購入。

 駅前から自転車に乗ろうとした。家に帰り、夜が来るのが楽しみだった。 電車から降りてきた姉に、見つかってしまった。

「ヒロシ、何買ったの、エッチな本でしょ」
「うるさいな、自分で稼いだお金なんだから」
「自転車?だったら、後ろに乗っけてよ」

 姉の言うとおりにしないと、母に何を告げ口されるか。後ろに姉を乗せることにした。 雷鳴が響き、にわか雨が降り出した。自宅まで200メートルほどの所で、稲光。 ゴロゴロ、ドーン、激しい地響きのショックで、転倒した。

「ゴツン!!」、姉の頭が僕の頭とぶつかり、地面に投げ出された。

「お姉ちゃん、大丈夫」、子どもの声がした。

 その声で気がつくと、5歳ぐらいの男の子とお母さんが、そばで心配そうにしていた。 もう雨はやみ、空は明るくなっていた。

anegaA1「あっ、痛い!」
 膝がいたい、手のひらを擦りむいたのか血がにじんでいる。 それと頭が痛い。

 小さい子のお母さんが、そばに来て、「服装直しましょう」と話しかけてきた。

 見ると夏のセーラー服がまくれ上がり、薄いピンクのブラが見えていた。

「えっ、これが僕、まさか」

 振り返ると、そこにTシャツにジーンズのヒロシがうずくまっていた。

「痛いの、ひじを擦りむいたみたい、カバンから傷テープを出して」
ヒロシのはずが、女ことばだ。姉の通学カバンは、そばに転がっていた。

「カバンのどこ?」
「外ポケットのファスナーを開けて、その中よ」
「ヒロシ、ヒロシなの?あなたは誰?」
「僕だよ、僕」、と言ってるセーラー服の女子高生。

「なぜ、そんな格好をしているの?」
そんなやりとりをしていると、「もう、大丈夫そうね」 そう言って、小さい子とお母さんは離れていった。

 前に見た、映画「転校生」のようなことが起きたのか。 セーラー服のぼくと、Tシャツの姉、ふたりで家に帰った。

「ただいま」
「あら、びしょ濡れじゃない、百合子もなの?」
「自転車に姉ちゃんをのせて、こけたんだよ」
「百合子が、自転車を運転してたの?」
「ヒロシの自転車に、乗せてもらったの」
「ヒロシの自転車に二人乗り、そんな事するからよ。早くお風呂入りなさい」

 僕は、さっとセーラー服を脱いで、風呂に入ることにした。 セーラー服って脱ぎにくい、ブラジャーのホックを外すのに苦労した。 お湯につかると、ヒリヒリと傷が痛む。

姉の身体

 風呂から上がると、脱衣所にヒロシ(姉)がいた。

「着替えぐらい持って来るのよ。裸で家の中を歩いちゃダメ」
 恥ずかしいけど、女物のショーツを穿き、ブラジャーをつけるのは手伝ってもらった。

「ブラジャーなんて、つけるの、僕は嫌だよ」
「だめよ、僕なんて。女の子にはブラが必要なの、これからは自分でつけてね」

 ワンピースを渡されて、背中のファスナーを上まであげて着るのが大変だった。 もっと着やすいのがいいと言って、持ってきてもらった別の服に着替えた。

自分の部屋に入ると、本屋で買った雑誌と写真用紙が置いてあった。 胸を触ってみた、くすぐったいと言うより気持ちがいい、乳首が堅くなっている。 下半身に手をやると、そこにはあるはずのアレがない。
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 パンティの中に手を入れてみた、あの場所には、小さな突起があり、触るとピクンと感じる。さらに指で触れ続けると、座っていられず、ベッドに横になった。

「ああー、いい、いっちゃう」

 もう、夢中で,指を動かし続けた。いけないことだと、思いながら。 女のような声で、あの時を迎えた。
「ああっ、あっ」 続けて触れていると、のけぞるような快感に襲われた。

 その時、ドアが開き、ヒロシ(姉)が入ってきた。

「だめよ、そんなことしないで。お母さんに、言うわよ」
「お母さんに、オナニーしてたって、言えばいいさ。姉さんがしたことになるんだから」
「言わないから、何度もしないでね」

 姉になった僕、僕になった姉、ふたりで相談した。 家族に気づかれないように、お互い気をつけて行動すること。 映画なら、元に戻れたから、僕たちも戻れるまで、役割を交代して暮らすことにした。

 その夜から、僕は百合子として、姉の部屋で過ごすことになった。 姉との約束で、姉になった僕は、パジャマでなく、ネグリジェ、夜はブラを外して寝る。 朝は、髪の毛をシャンプーして、洗顔クリームで洗い、化粧水をつける。

 下着は、朝、新しいものに着替える。食後は、歯を磨き、マウスウォッシュ。 セーラー服を着て、リップを塗って、髪を後ろで束ねてゴムで止める。

約束を守れそうもないのは、勉強とオナニーと思っていたが、朝立ちすることもなく何もしなかった。

姉になって登校

 姉の通っている十三高校に、姉に教えてもらったように通い始めてから10日過ぎた。 名前をようやく覚えた、クラスの中で姉と仲良しの3人と、各教科の先生。 女というのは、トイレに行くのも、弁当を食べるときも、誰かと一緒だったりする。

 でも、面倒なのはトイレ、いちいち個室に入り、下着を下ろし用をたすとペーパーで拭く。 今までだったら、チャックを降ろし出すだけ出したら、チョンチョンと振るだけ。 スカートを濡らさないように気をつけるなんて、考えもしなかった。

 立ちションが恋しい。 ただ、驚いたのは体育の授業、更衣室で水着に着替えるとき、みんな裸になる。 ブラジャーを脱ぎ、ショーツを脱ぎ、おっぱいも恥毛もいくらでも見える。 最初は、スポーツタオルを手にして、女子が裸になる光景に見とれてしまった。

 でも、おかしな事に、勃起などしない、今の自分にはたつものが、ないのだ。 自分も、ブラを外し、ショーツを脱ぎ、オッパイ丸出しで着替えていた。 学校からの帰りも、十三の駅まで姉の仲良したちと、3人並んで歩く事になる。

 それでも、授業が終わるとほっとする。 僕の学校なんて、授業中に携帯を触るやつがいて、漫画を読むやつもいる。 姉の学校は、みんな授業中も前を向いて、まじめに勉強しているから。

 あと数日で夏休み その夜、夜遅くにヒロシになった姉が、僕の部屋(百合子の部屋)に入ってきた。 なんだか、思い詰めている様子だった。

「姉さん、どうかしたの?」、僕はヒロシになった姉に声をかけた。

「この頃、アレが大きくなったり、堅くなったりして苦しいの」
「それって、いつごろから?」
「それが、毎晩なの、昼間に学校でも、病気かしら」
「姉さん、男の病気だよ、溜まってるんだ、出すとすっきりするから」
「どうするの、通院すると、それでなおるの?」

 僕は、ヒロシ(姉さん)に、自慰の仕方を教えた。 親指と人差し指で輪を作り、竿の部分を前後に扱くと気持ちが良くなること。 それを続けると、射精するから、ティシュで受け止める事を教えた。

 自慰をするときは、ヌード写真などがあると気持ちよくなりやすいと助言した。
「そんなの、恥ずかしい」
「恥ずかしいから、ひとりで、するもんだよ、僕なんか毎日してた」と教えていた。

「ヒロシも私の身体で、毎日オナニーしてるの?」
「ううん、二日に一度ぐらい」
「それぐらいに、しておいてね」

夏休みのお誘い

 前川の叔母さんが来ていた、あいさつだけして通り過ぎようとしたら呼び止められた。

「百合子さん、今度の週末、家族で新舞子に行くの、一緒に行ってくれる」
「お母さん、どうしようかしら?」
「せっかくのお誘いでしょ、一緒に行ってきなさいよ」
「夏の夏期講習は?」
「アレは、ヒロシだけがこの夏ずっと通うの。あなたは後半だけだから、少し楽しんできなさい」

 外科病院の院長をしている前川の伯父さんと、父は従兄弟なのだ。 昔、病院長と寺の住職がとても仲が良くて、病院の娘だった祖母が、寺に嫁いできて父が生まれた。 姉は頭のいい祖母に似たのだろう。

 僕はと言うと、元気に動き回る口うるさいだけの母に似たのだろう。 前川の伯父さんには、息子と娘が居て、その息子と姉は、大きくなったら結婚させる許嫁なのだ。 僕と姉が生まれたときに、そんなことを親同士で決めてしまったのだ。

 だから、子どもの頃からお互いの家を行き来して、はとこ同士で遊んだりもした。 英一さんは、十三高校からK大医学部に現役合格、今は医学生なのだ。 新舞子に行く事を知った姉は、とても悲しい顔をしていた。

「ヒロシ、お願いがあるんだけど。英一君とは仲良くしてね」
「これまでにも、仲良くしてきたじゃないか、棒で殴り合ったり、相撲を取ったり」
「そんなんじゃないの、英一君からもし誘われたら、やさしくしてあげてね」
「それって、彼とうまくやってくれって事?」
「馬鹿ッ、エッチなことを想像してるでしょ」

 その後で、持っていく荷物の支度を姉に手伝ってもらった。 3日分の下着、着替え、水着、それに生理用品。

「まだ、大丈夫だと思うけど、念のために入れとくわ」
「生理って、月経のこと?」
「そうよ、あと10日ぐらいで始まるの」
「始まる時って、どうなるの、突然出血するのか」
「そういうときもあるから、早めに準備するの」
「じゃあ、今から教えといてくれよ、使い方とか」

 姉の百合子から、対処法を教えてもらった。 腰がだるくなるとか、お腹が痛むとか、頭痛を感じたらシートを使うこと。 汚れないように、生理用のショーツを穿き、激しい運動を避けること。

「こんなに面倒なんだ、生理までに、元のヒロシに戻りたいよ」
「わたしも、元に戻って、英一さんと海に行きたかったわ」

最後は、姉の百合子に泣かれてしまった。


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 家の前に、白い大型のワンボックスカーが止まった。 スライドドアが開き、前川の伯父さんが車から降りてきた、顔が少し赤い。 お酒を飲んでいるかと思うほど、前川の伯父さんは機嫌が良かった。

「今日は英一が運転してくれるので、ビールも飲める」
「百合子がお世話になります、何でも用事を言いつけて手伝わせてください」
「お嬢さんには、助手席に座ってもらうよ。英一の隣だ」

「英一さん、免許を取ってから何年なの?」、母がつまらないことを聞いている。
「18の時だから、もう5年になります。自分の車にも4年、無事故、無違反です」

 車の後部座席に荷物を乗せてもらい、百合子(僕)は助手席に座った。 豊中を出発して、池田インターチェンジから中国道に入り、山陽道を走った。 高速道路は混雑もなく、2時間ほどで姫路、新舞子に到着した。 海岸の近くに林があり、砂浜の広がるところに前川家の別荘があった。

 別荘に着くと、荷物を降ろした、英一さんと妹もそれぞれ2階の洋室、 私は2階の見晴らしの良い部屋だった。 夕方からバーベキューをすることになり、それまでは海水浴を楽しむ。

 目の前に広がる遠浅の海、子どもの頃、春にはここで潮干狩りをした事もあった。

 「今年は、これを着るの」
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 姉が言っていた、ビキニの水着。 女の子のビキニを見るのは、好きだったが、 自分で着ると、少し恥ずかしい。 花柄のビキニ、もう一つは真っ白のビキニ、 今日は真っ白にした。 姉の乳房はかなり大きい。

 砂浜を歩くときは気をつけないと、あまり揺れるとカップからはみ出しそうになる。 ショーツも腰の部分が細く、穿いていると言うより、恥ずかしい部分を隠すだけのようだ。

 浜辺がすぐ前だったので、ビキニのままで英一さんと砂浜に降りていった。 パラソルでなく、ミニテントを英一さんが砂浜に置いた。 テントの周囲にも、原色のカラフルなテントが並んでいる。 二人で入るとちょうどいい大きさ。 それが、あとで思わぬ事になってしまった。

 瀬戸内の波は穏やかで、砂浜の近くの海水は温かい。 泳ぐ前に、防水カメラで、英一さんに写真を撮ってもらった。

「もう少し顔をあげて、背中を伸ばして、ハイ、ポーズ」
何度もシャッターを切りながら、「凄くいい、可愛いよ」と言う英一さん。

 写真を撮影されるなんて、それもビキニの水着、 僕は、今は女の子なんだ、そう思うことにした。 近くの人たちにも見られながらの撮影は、次第に気にならなくなり、恥ずかしさは消えた。

《つづく》

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