《競輪場でオフ会》

 お店デビューするまでに、女装してお出かけするようになって、写真をアップしたりして、ネットで気の合うお友達が出来ました。

 どこかで待ち合わせたりして、二人でとか、ほかにもメンバーが増えてオフ会を開いたりしました。そんなある日のこと、「みんなで競輪場に行ってみない?」と誘われたのです。

 私は、白いブラウスに、紫の水玉模様のスカート。30半ば過ぎの私は、一番おとなしい姿でした。
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「私、平凡な装い過ぎないかしら」
「ゆりさん、夜じゃないから、それぐらいが目立たなくていいわ」
「競輪? よく知らないわ、女装で行っても大丈夫なの?」
「皆、レースに夢中だから、大丈夫よ」

「何も心配しなくて、大丈夫よ」
「じゃあ、一緒に行くわ」
「きまり、立川に、みんなで行くわよ」

 すぐに話が決まって、A子の運転する車で、立川の競輪場に行くことになりました。 高速道路を下りたら、以外とすぐに立川駅近くのアンダーパスを通り抜けて、バス通りを走ると競輪場の表示がありました。

 競輪場に着いたとき、私は少し気分が悪くなってしまったのです。

「気分が悪いの?」
「ごめんね、せっかく来たのに、ごめんね」
「車を降りて、どこか静かなところにいて、休んで様子をみる?」
「近くに、公園があったわ、少し南の方向」

車で少し行くと、競輪場の南の方に、公園がありました。
「ここで、のんびりしてるから」
「気分が良くなったら、競輪場に来てね、歩いて4,5分だから」

 私は、一人で公園にいて、ベンチに座りました。30分ほどで気分は収まりました。女装で出かけるのに、ウェストをきつく締めすぎたのが原因でした。公園の植え込みの人目に付かない場所で、ウェストニッパーを外しました。

  あらためて公園を見ると、幼い子どもが遊ぶような砂場があり、可愛い遊具がいっぱいありました。すぐ北を見ると、競輪場が見えます。

  初めて来た街なので、よくわからない競輪場への道を歩き始めました。後ろから自転車を押して歩く男性が、通り過ぎようとしました。私は、練習してきた女声で、道を尋ねました。

「あの、競輪場はこの道でいいですか?」
「そこで、右に曲がるんです」
「ありがとう」
「僕も、今から行くので一緒に行きましょう」

「僕は。今日の最終レースに出るんです、Kと言います」
「Kさん、がんばってね」

 ほんの7,8分で競輪場の前に着くと、彼と別れました。A子達は、車券売り場の前にいました。しばらくして、最終の第10レースが始まりました。

 競輪というのは、最初にトップを走っていても勝てないのです。抜いたり抜かれたり、でも、最後の2週ぐらいになるとスピードがぐんぐん速くなり、後方にいた自転車が前に出てきます。

 最後の1週はカーブを曲がりながら、はげしい追い越しをかけます。Kさんは、なんとトップでゴールしたのです。初めて買った単勝式の車券の払い戻しを受けました。でも、優勝候補だったので、払い戻しはわずかでした。

「すごいわね、初めてなのにトップを当て
るなんて」
「競輪って、はじめはゆっくりで、相手を試すように誘いかけたりするのね」
「その内、後ろから仕掛けたり、駆け引きをするのよ」

「でも最後には、腰を上げて、激しくダッシュするのね」
「まるで、セックスみたいね、ゆりさん気に入ったかしら」
「そんな、恥ずかしいわ」

 その日は気分良く、帰りも無事に中野まで帰りました。

《ネットでの出会い》

それから数日後、ネットの掲示板に写真をアップしました。

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 すぐに、メールが届くようになりました。その中で、感じのいいメールの男性に会うことにしました。

 彼が指定してきた場所は、中野でした。私にとっては、最寄りの駅でもあり、平日の午後に会う約束をしました。

 そして、出会った相手はKさんだったのです。立川で会ったときは、派手な色のウェアー、さらにヘルメットを被っていたので、今、目の前に居る彼が同じ人だと気づくまでに少し時間がかかりました。
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  ホテルに入り、彼に抱かれて気づいたのですが、ふとももが大きくて、身体の筋肉がものすごく、私とは違いスポーツマンの彼は、私を抱きしめる力も強いのです。

 もう夢中で、彼に求められるままに身体を許していました。二人がひとつになった後、彼の後半でのダッシュ、喜悦の声をあげ続ける私、競輪場のようでした。

 あれから1年、今夜もラブホで彼と二人きりで過ごす夜。もう、彼とのプレイも、いろいろ楽しんだけれど、まだまだ私の身体は開発されている。今夜は、初めて出会ったニューハーフとエッチする設定で楽しむ。

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「ほら、ここにこんなものが」
「イヤッ、そんな風にさわらないで」
「固くなってきてるよ、大きなバナナが」
「だめよ、そんなことしないで」

 彼との時間、いつも彼に好きなようにされてしまうのです。

 正常位になってから、私の胯間にあるものに触れてみたり、乳首を舐めて私の感じている顔を見て楽しむのです。私の中に入っている、熱い彼の分身の動きを止めて、焦らされることもあるのです。

「もっと、激しくして、オネガイ」
「いいか、そんなに欲しいか」
「ええ、オネガイ、後生だから続けて、早くぅ」

「亀頭で、ぐいぐい突かれたいのか」
「ええ、そうよ、ああっ、そこよ、逝きそうよ」
「あっ、締まる、俺も逝くぞっ、イクッ」
「いいわ、いい、そのまま続けて」

 そして、いつも最後には激しく求められて、私の中で逝ってくれる彼。男でありながら、女装して抱かれている私。男と女でなくて、世間からすれば異常な関係なのです。

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 女装の私を愛してくれる、それがずっと続くことがなくても、それでもいいのです。たくましい彼の腕の中で、女の幸せを与えてくれるから。

 でも、できることなら、彼の帰りを待つ奥さんになりたいな。

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