青空に白い雲、波打ち際にはさざ波が押し寄せる。夏の海岸は、パラソルやカラフルなテントがいっぱい、そこには男女のグループや家族連れが楽しそうにしている。海の家や売店も、混雑してとてもにぎやか、浜辺では若い女の子をナンパする男の姿も見られる。

 私は混雑するのをさけて、海水浴シーズンが終わってからビキニで海岸を歩くことにした。休暇をとり秋になってから、あまり知られていない砂浜に来て、今年購入した水着で、ビキニデビューを楽しんでいた。

 ここは、静かな海水浴場、子どもの頃、夏が来ると楽しんだ場所。もう9月なのに、海から上がると、ほんの数分で肌が焼け付くような、強い日差し、少しの日陰でもいいから、そう思ったときに声をかけられた。
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「もし、良かったら、僕のコテージに来ませんか」
「でも、・・・」
「誰かと一緒なの?」
「いえ、一人です」

 そう答えるのがやっとだった。女装子だとばれたりしないか、不安だった。

「それなら、僕のコテージに」
「でも・・・・」
「この砂浜の向こう、あそこに立っているのが見えるでしょ」
「はい・・・」
「僕は、喉が渇いたから、つめたい飲み物が欲しくて、君も一緒にどうかな?」

 そう言われて、彼が指さす方向を見た。白い砂浜に面して建っているブルーの建物が見えた。でも、私はビキニの水着だけど、本当は女の子じゃない。迷っていると、彼がにっこりして、手を引いている。

「クーラーもあるし、冷蔵庫にはビールや缶酎ハイ、冷たいコーラやカルピスも」
「ええ、ありがとう」

 そう言われて、彼と一緒に歩き出した。やさしい感じの、上品な育ちの良さそうな好青年だった。女装して居ることに気づかれない様に、振る舞うことにした。



《冷たいジンジャエール》

 海岸沿いの夏期だけの駐車場、砂浜のすぐ近くに止めていた車から、取り出したフード付きのパーカーを着て、白いバッグを持って、ビーチサンダルで彼のもとに歩いて行った。

「君は、車で来たんだね、遠くから?」
「・・・」
「多摩ナンバーだから、中央線沿線かな?」
「立川です」

 そんなやりとりをしていると、すぐに彼の部屋についた。
「スマホでエアコンの予約をしたから、暑くないでしょう」

 涼しい風が心地よかった、広いリビングには、サーフボードが並んでいた。
大きなテーブルに、イスが5脚、そこにかけるように言われた。

「今日は、輸入物のジンジャエールがあるんだ、それでもいい?」
「ええ、ありがとう」
「すこし、味が濃くて、ぴりっとするかも」

 彼の言うとおり、普通のジンジャーエールではなく、少し辛いぐらいだったが、炭酸水でわると飲みやすくなった。そのあと、サーフィンが好きな彼の話を聞いていると、少し眠くなり、景色がかすんできた。

 気が付くと、私はソファーベッドの上にいて、なんだか身体がだるくて思うように手が動かない、思うように動けない。

「思うように動けないの、なぜ」
「やっと、気がついたんだね」
「ジンジャーエールに、何か入れたのね」
「心配しなくても、いいから」
「ジンジャーエールだと言って、欺したのね」
「君こそ、僕を欺すなんて、女の子かと思っていたら、違ってた」

「欺すつもりなんて、なかったの。浜辺を歩きたかっただけ」
「男なのに、ビキニ、それがもうすでに欺しているんだ」

 彼が誰かも分らない今、何だか不安になっていた。女装して歩くと、男性の視線が注がれるのが嬉しくて、新宿、渋谷、原宿、麻布などを女装して歩いていた。いつもだと、誘われても、無視していたのに・・・、ビキニの今日は少しぐらいならいいかなと思ってしまった。

 立ち上がろうとしたが、ふらつき手足は思うように動かない。ソファーベッドの上で、手足をバタバタさせたが、押さえ付けられてしまった。

「あばれても、無駄だよ、ここはプライベートビーチ、一般の人は来ないよ」

 彼の手が、ビキニの胸の部分をずらして、触ってくる。ふっくらした胸の部分に大きくなった乳首。それが自慢だった。
「胸は本物? 乳首も大きいし、触れていると勃ってきた」
「中学の頃から、大きくなって、最初は触れられると痛かったわ」

「じゃあ、ブラジャーをして学校に行ってたのか」
「中学は、ほとんど行かなかった」
「じゃあ、今は何してるんだ」
「大検を受けて、大学は卒業、今は自営業」

 詳しく言わなかったが、解体前の住宅の家具の買い取り、遺品整理、家財道具の処分をしている。一件で20~50万、月に7~8件で十分なぐらい稼げた。

 喫茶店やバー、クラブなどの場合は、処分するロッカーにウェイトレスやホステスの衣装、靴や下着まで入ったままのことも多かった。もちろん、そういった物も再利用、リサイクルしていた。気に入ったものは、自分のものにした。

「自営業、女装して男に抱かれているのか?」
「そんな仕事じゃないわ、女装は趣味なの」

「童貞? それとも処女?」
「どっちでもないわ、何か、薬でも飲ませたの」
「すこし、落ち着いて、その内に気分がよくなるよ」


  涼しい部屋の中で、彼と二人きり、ビキニのブラは脱がされて、ソファーの上で抑えつけられてしまった。押しのけようとしたのに、手に力が入らない。

「あっ、やめて、何をするつもり?」
「気持ち良くなることさ、おとなしくしろよ」

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 ビキニの水着を身につけているはずだった、
ブラははずされて、サイドをストラップで結んでいるショーツだけになっていた。私の胸をさわる手の動き、彼が上に被さるように、せまってきたのです。

「ステキなおっぱいだね、柔らかい、乳首も尖ってきた」
「だめよ、そんな・・・」
「遠慮しなくていいから、しっかり楽しもうよ」

 乳房をやさしく揉みながら、唇と舌で乳首の周囲を触れるか触れない程度に刺激して、乳首を吸うように舐め回していた。

「ああっ、あっ」
「ほら、感じているんだ、もっと感じさせてあげるよ」

 乳房を揉んでいた手を下に伸ばして、彼は、笑いながら、私のビキニのショーツを脱がせにかかった。サイドのリボンをほどくと、小さなショーツは、はらりと落ちた。

「興奮してるのか?大きくなって、天を向いているよ」
「恥ずかしい、見ないで」
「女なのに、おちんちんがあるなんて」

 彼の手が、私のエレクトしたものに触れる。それも、刺激するように、こすり上げる。
「ああっ、だめよ、そんなことしないで」
「感じているんだろう、素直になれよ、遠慮せずに」

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 手の動きが止まったと思ったら、下半身への口撃、すぐに口に含まれてしまった、とにかく舌の使い方がすごい、すぐにでも逝ってしまいそうになる。伸ばした足を、彼の肩に載せていた。

「すごく、上手ね、経験ありなの?」
「まあね、少し疲れたよ、今度は大人のオモチャで楽しんでみような」
「やめて、そんなもので、遊ばないで」

 わたしを座らせると、下腹部をしごきながら、唇は乳首を触れるか、触れないかのように、もてあそばれ、
「やめないよ、もう、あそこが上を向いて、欲しがっているよ」
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 スイッチが入ると、耳にもブーンと振動が伝わってくる。それが、胯間に押し当てられる。腰を動かして避けようとしても、逃げられない、さらに振動する電マを押し当ててくる。10秒、20秒と単調だが、しだいにその刺激に反応してしまう。

「もうだめっ、ああ~、逝っちゃうわ」
「早いね、もう逝きそうか、感じやすいんだな」
「電マには、弱いの、もう、やめて」

「いつもは電マで、ひとりで逝ってるのか?」

 彼は、電マを離して、今度は違う道具、バイブを取り出した。電マの動きとは違い、先端部分がくねくねと動き、振動する。 ローションを後ろの部分に塗り、バイブをあてがわれた、ゆっくりだが少しずつ、深く差し込まれる。

「どうだい、今度は後ろから突き上げて感じさせてあげよう」
「いやよ、機械のオモチャなんて」 
「まだ、バイブには慣れてないんだな、もっとたのしまなきゃ」

「じゃあ、本物で試してくれる」
「いいのか、それじゃあ、ベッドで」

「後ろで、したことあるの?」
「まだ、ないんだ、女装子とは」
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「じゃあ、私が教えてあげる、乱暴にしないでね」
「うまく入れられるかな」
「大丈夫、慌てないで、ゆっくり挿入するのよ」

「処女とするみたいだね」
「同じようなものよ」

 正常位も好きだけど、彼のいきり立ったものを見て、前に手を突き後ろから、彼が挿入しやすいようにお尻をむけた。挿入が始まった。はじめはゆっくり、亀頭がするっと入ってしまうと奥深くに、当るのを感じていた。

「入っているわ、そう、いい感じよ」
「すごい締め付けだ、あっ、すごい」

 彼が感じやすいように、腰を動かして、まるですり鉢でこすり上げるように、腰を使った。彼もアナルセックスが初めてなのか、逝きにくいのか、動きが遅くなった。そこで、体位を変えて、彼と向き合うようにしてもらった。
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 そう声をかけると、私は彼の固くなった男性器を受け入れて、彼にまたがり腰を打ち付けるように激しく動いた。この動きの方が彼に与える刺激が強く、しだいに彼も感じはじめて、下から突き上げるようになった。

 しばらく続けた後、彼が少し姿勢を変えた。

「今度は、もっと僕が君に感じさせてあげるよ」
「どうするの?」
「君は、ベッドに寝てくれた方がやりやすい」

 そう言って、私の腰を持ち上げて、太いものを押し当ててきた。それはすぐにズブリと侵入して、私は深々と貫かれた。経験したことのない姿勢でのセックス、しだいに突き上げるたびに、強く感じ始めていた。

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「感じるかい、どんな具合かな」 
「こんなの、初めて、なんていう体位なの」
「知らないよ、良ければ結果オーライさ」
「いいいわ、いいの、そのまま続けて」
「僕も、感じてるよ、いい締め付けだ、すごくいい」

 彼の動きがしだいに速くなり、抜き差しするというより、強く突き上げているのです。私は男なのに、今は女になって最後を迎えようとしていた。

「あ~、逝きそう」
「俺も、逝ってもいいか」
「イッテ、イッテ、素敵よ」

「逝っちゃう、もうだめっ」
「逝くぞ、逝く・・」
「ああっ、逝くわ、いいっ」

 しばらく、二人は荒い息を吐きながら、抱き合っていた。しずかな部屋の中に、打ち寄せる波の音が聞こえていた。

「初めてだったけど、女装子っていいもんだな」
「ありがとう、そう言ってもらえると、うれしい」

 男同士なのに、一人は男、もう一人は女になって、セックスを楽しんでいる。異常な同性愛、でも・・・それは女装子の求める幸せな時間なのです。

 浜辺に夕闇が訪れる頃、ふたたび私は砂浜を歩いているのです。

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 もちろん、ビキニの女性に欲情してくれる男を誘いに、
誰か、いい人・・・いないかな



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