この日のために

 私は、歯科大学の付属病院に勤務している歯科技工士でした。

 学校を卒業してから10年が過ぎてまだ独身。木曜日と日曜祝日が休みの生活にも慣れてきました。 とりわけ木曜日は毎週楽しみにしている。それは女装して一日を過ごせるから。

『とうとうこの日がやってきたわ』
 そうつぶやきながらマンション3階から外を眺めていました。 レースのカーテン越しに日差しが明るい窓側のタンスの前に立ち、純子は3段目の引き出しをを開けました。

 高価だったけれど思い切ってランジェリーショップで買った、黒いレースの3点セットを取り出して、ベッドの上に大切そうに並べた。

 ブラジャーを手に取り自分で器用にホックを留めてみると、ぴったりと胸に張り付くようにフィットした。

 次にきめ細やかなレースで飾られたガーターベルトを、後ろで金具部分を留め、黒いストッキングに足を通した。

 ストッキングは、驚くほどの薄さと弾力性があって、片方の脚に穿いただけでもその肌触りに感激。
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 最後にすべすべとしたナイロンならではの薄い生地のパンティーを穿く、その悩ましい黒い布地はぴったりと肌にくっつき、お尻は丸みを帯び、純子の肉茎をやさしく押さえ込んでいた。

 純子は夢中で憧れの下着を身にまとった自分を鏡に映し、身につけている下着の上から撫で回し、沸き起こる快感に息を荒くしていたのです。

 わたしの憧れているのは、同じ大学の若い医師の佐藤。以前一度だけ女装している純子の姿を見られたことがある、その時は女装スナックだった。

 接客で、おしぼりを渡したのに、気づかれずにすんだ、でも、どきどきしていたのが落ち着いてくると、ほかの女装者と楽しそうに話している佐藤に、もっと自分のことを見つめてほしかった。

 いつも歯科大学の病院で会っていた、ほんとうは佐藤に女装した姿で会いたかったのです。でも、危険な賭けになる場合だってあります。

 佐藤に拒絶され、純子が異常な趣味の持ち主であると、勤務先に噂が広がったりすると、仕事も失い、佐藤にも嫌われてしまうかもしれないのです。

 佐藤が大学病院を退職し、歯科医院を開業することを知った時、純子は決心しました。
一度も想いを伝えることもせずに、ただ諦めてしまうぐらいなら、佐藤に自分の思いを伝えたい。そして、何とか口実を思いつきました。

 退職で片付けをしていた佐藤に、研究室で不用になった書籍を譲ってもらえることになったのです。二人とも休みの木曜日、その重い荷物を私の部屋に届けてもらい、妹に渡してほしいと頼んだのです。

「君の部屋まで、いいよ僕の車に乗せて運んであげるよ」
「佐藤先生、ありがとうございます、私は車がないので助かります」

 木曜日の昼過ぎに、予約しておいた来客用の駐車スペースに、一台の車が止まった。しばらくして、ピンポーンとチャイムの音が響き、ドアをノックする人の気配がした。

「江崎さん。こんにちは、お兄さんに頼まれた荷物です」
「はい、お待ちしていました。ありがとうございます」
「重い荷物なので、お部屋の中にお持ちしましょうか」

 佐藤は、靴を脱ぎ部屋に上がってきました。  
「兄はすぐに帰ってくるので、お茶でも・・」と佐藤に声をかけると、意外にも「じゃあ、お兄さんが帰ってくるまで待ってます」とソファに腰をかけた。

 できることならこの日のために女装して、悩ましい下着を身にまとった純子を抱いて欲しい。今なら準備はできている。他には誰も居ない、二人きり。

メイド姿での賭け

 きちんと化粧していることと、女性のような声を出すことができるので、少しは自信があった。いくら女装していても、声が男のままだと分かってしまう。

 純子の場合は、普通に話すと女性のような声になってしまう、就職活動の時から低い声を出し、職場でもなるべく低い声を出していた。

 佐藤が来たら、本来の純子の声のまま佐藤に抱きついて、純子の思いをうちあけたいと気持ちが高ぶるままに、美少女の純子に変身している自分の手で、冷たいビールを取り出してビールグラスに注いだ。 佐藤は差し出されたビールをゆっくり飲みほした。

「今日は暑いから、冷たいビールでも」
「ありがとう、暑くて、今はビールが一番です。」

「お車だったから、いけなかったかしら」
「じゃあ、一杯だけにして、お兄さんが帰ってくるのを待ちます」
「もう少し、飲みませんか」
「それじゃあ、もう一杯、酔いがさめてから帰ります」

佐藤は,私の方を見ている。それも、バストや足もとも。
「お兄さんに、よく似ていますね。」
「いつも、そう言われるんです」

「今、テレビを見てもいいですか?」
「どうぞ、これを使ってください」

 リモコンを手渡すと佐藤はテレビでサッカーの試合を見ていた、しかし、時々ちらちらと純子を見つめていた。

 佐藤は純子に声をかけながら、純子のバストのふくらみをちらりと見ていた。

 男性は気づいていないかもしれないが、女性は意外に男性がどこを見ているかに、気付くことが多い。ふだんは白衣で隠している胸は、1年前に豊胸して、Dカップの大きさがあった。

 リビングの隣の寝室に入り、純子は用意してあったメイド服を着るために、スカートを脱ぎ ブラウスも脱ぎました。
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 白いレースの上に、黒のオーガンジーの透けるような布で、作られているメイド服を身に着けた。さっきよりも淫らな感じがする、編み目のガーターストキングを脚に通した。そして、決心したように、ソファに座っている佐藤の隣に、身体を投げ出しました。

 メイド服の下には、まるで外国の高級娼婦のような悩ましい下着、黒いブラジャー。ふとももまでの網目の黒いストキング、黒いストッキングが脚を娼婦のように、淫らな魅力を感じさせている。

 最後に女の砦ともいえる三角の布地、レースもたっぷり使っているのに、そこから透けるように性器が見えている。黒々と茂っているはずの恥毛はなく、手入れされていた。

 佐藤は驚いたように立ち上がりかけたが、純子が彼にしがみついた。

 「抱いてほしいの、オネガイ・・」
「えっ、君は江崎くんなのか?」
「そうよ、今は純子よ」

 ソファに座り込んだ佐藤のジッパーをおろし、彼のジュニアを導き出すと純子の口に含んだ。 これまでにも、ニューハーフのいるクラブでもそうだったように、女装者好きの佐藤は、すべてを察したかのように、純子を性の対象として割り切ったようでした。

 佐藤が純子のフェラチオにより、一度達した後、純子は寝室に用意してあった小瓶を取り出した。まず小瓶のふたを開けて、指で中の乳液をお尻の菊型の門に塗りこんだ。 そのわずかな時間の間に、佐藤はベッドのある寝室に入ってきた。

 エアコンの効いた寝室、ベッドで待っている佐藤の横に引き寄せられ、メイド服のまま抱かれた。佐藤の手で、メイド服のスカートが捲り上げられた。

 純子のエレクトしたものを、いとおしそうに握り締め、口に含まれた。佐藤のものが純子の目の前にあり、純子も大きく口を開いてフェラチオを始めた。

たまらず、純子が声をあげる。
「ああー、いいわ。佐藤さん」
「俺もだよ、そろそろいいかい」

 そういい終わると、お互いの身体の位置を変えて、佐藤も自分のものにローションを塗り、ゆっくり挿入した。 菊肛の門が押し広げられ、貫かれる苦痛はなく、喜びすら与えてくれる佐藤の動きを、コントロールしてアヌスでの快感を高めていった。

「ああ、いいわ、いいのよ、純子をもっと突いて」
「純子と呼べばいいのか?」
「そう、純子と呼んで!」

「まさか、君がこんなにきれいな女になるなんて」
「うれしいわ、佐藤さん」
「純子、楽しませてもらうよ」

「そう、そこなの、もっとよ」
「よく締まる、純子、いいぞっ」
「アアー、イクワー、イイッ」

 純子の身体を貫きながらも、佐藤は純子の女の子にはない部分を、やさしくもみしだくのでした。小さくもエレクトした雄器官から、白濁した精液がピュッ、ピュッと噴出した。

 それに前後するかのように、「ああ、ああっ、いくぞ、いい、あっ、イクー」と佐藤も喜悦の声をあげた。 男と男でありながら、純子と佐藤はひとつに繋がり、男と女のように求め合い、激しく情事を楽しんだ後で、短い眠りについていた。

 ベッドの近くには、悩ましい黒いショーツが脱がされたまま放置され、ベッド脇のくずかごには、丸められたティシューから栗の花のような精液の匂いが漂っていました。                             
 その日から、独身の彼のために、休日にはメイドになってお掃除、洗濯、料理などのルームサービスを始めました。ご褒美として、彼の愛情のほとばしりを、純子の蕾の中に注いでいただいたのです。

  職住接近が理想の関係

 彼の歯科クリニックは、無事開業。 私もクリニックのあるマンションの5階に引っ越したのです。 私は専属のスタッフとして、今も彼のもとで勤めているのです。

 開業後に結婚した彼は、日曜日は家族サービス。 木曜日は、休診日だけど医師会の勉強会がない日には、『技術指導』といって、クリニックに来た彼と熱い時間を過ごすのです。週一ぐらいが、二人にとって丁度いい間隔だったのです。

 時には、市役所の休日診療所の当番だからと、家族に内緒で、日曜の朝から彼が来てくれることもあります。
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 彼と二人きりの時間には、奥様が身につけることのない、悩ましいプレイ下着で装い、奥さまに求めることのできないSMプレイを楽しむようになりました。

 バイブや電マを使って楽しむだけでなく、時には、縄で縛られたり、鞭やろうそくで責められたのです。最後には、いくら中出しをしても、妊娠する心配のない私と、抜かずに続けてセックスを楽しむのです。


 彼が結婚したとき、彼との関係も切れてしまうかと思ったのです。

 ところが、奥さまが妊娠してからは、今まで以上に私を求めてくれるようになったのです。奥様がお里帰り出産の時、 性生活に不自由になった彼が、昼の仕事場だけでなく、自宅で奥様のゆかたを着せて、私を夜も求めてくれるのです。
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「ああっ、だめよ! そこには触れないで」
「いいよ、続けて欲しいんだね」
「あ~、感じすぎるの」
「ほら好きなくせに、触れて欲しいと・・・さらに勃起してきた」
「意地悪ね」

「ほら、もう逝ってしまえ」
「アッ、いいわ」
「ほら、君のが熱くなってる」
「イクッ、逝っちゃう」

 この日は先に私が逝ってしまった、でもその後で、二人がひとつになって、オスとメスになり、交尾の果てにたどり着くのです。充実した休みがなにより一番のストレス解消、妊娠する不安もない私たち。

 休み明けは、時間通りに仕事に就く、彼は患者の口をのぞき、歯科衛生士に患者の歯石除去を任せて、最後に虫歯の治療の繰り返しで一日が終わる。

 患者の型取りに併せて、私の作業が始まる。それは夜の仕事になることもある。毎週木曜が休診日、研修会という口実で、いつもの部屋で待ち合わせ。
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 休日の午後、待ちきれない彼に押し倒されて、足を開かされて、私の熱い肉棒をしやぶり、口の中に含み刺激する彼。ほんとうは、見られるのもイヤなのに、いつも彼は私のウイークポイントを刺激するのです。

 最後に私に覆い被さると、彼の固くなったもので下の蕾への挿入、激しい動きとあえぎ声、彼との淫らな行為が、私たちの絆(きづな)になっているのです。




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